47.解ける ページ13
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『あき、らくん…っ…ん、』
英くんが覆いかぶさってきて、噛み付くようにキスをされる。
やがて指で唇を割られて、僅かに開いた隙間に舌が侵入する。
酸欠になって頭が回らなくて、なのに気持ち良くて、
目の端に涙が伝って落ちた。
漸く離されたかと思うと、
英くんはぽふん、と私の顔の横に自分の額を押し付けた。
「……俺は、Aさんがすき」
『!』
「Aさんじゃなきゃ嫌だ……
白布さんになんか…取られたくない…絶対…」
緩められた両手を、英くんの背中に回す。
小刻みに震えている背中は、
広くて大きいはずなのに、幾分か小さく感じた。
『……ごめん、ごめんね、嫌な想いさせちゃってごめんね…っ』
体を起こして抱き寄せる。
英くんは私の背中に手を回して、肩に顔を埋めた。
じんわりと、肩が濡れていく感覚が分かった。
背中をさすって『ごめん、』と再び言えば、
英くんは「ちがう」と小さく首を振った。
「……白布さんが、全部教えてくれた」
『えっ』
「白布さん、俺が見てたの知ってて…それで…誤解だって…」
………うそ、白布くんが?
「Aさん…ごめん…」
『……っ、英くんが…謝る必要……ないでしょ……』
英くんが体を私から離して、真っ直ぐに見た。
熱のこもった瞳と、酔いもあってほんのり赤い顔が艶っぽくて
思わず目を逸らすと、両頬を掴まれて無理やり目が合う。
「………すき?」
捨てられそうになった子犬って、こんな顔するのかな。
きゅうん、と胸が鳴って、痛いくらい締め付けられる。
もうズキズキは感じない。
ただ目の前のこの人が、どうしようもなく愛おしい。
『………だいすき』
英くんは照れたように笑って。
触れるだけのキスをした。
「……ね、いい?」
熱のこもった瞳に絆される。
だんだん両頬に添えられた手の熱が上がっていく。
………断れる、はずがない。
コクン、と小さく首を縦に振れば、
次の瞬間ベッドに深く、体が沈んでいった。
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Kuro ken(プロフ) - ニヤけすぎて表情筋がヒジョーに痛いw (2020年5月6日 14時) (レス) id: 43e95bf2f0 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - ルイちゃんさん» ありがとうございますぅうう!まさかそんなこと言っていただけるなんて、、!感極まって涙出そう、、!( ; ; )ありがとうございました! (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - Decemberさん» えええ嬉しいですコメントありがとうございます!!こちらこそ素敵なこと言ってくださるDecemberさんがいて本当に嬉しいです、、!( ; ; ) (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 嬉しいですコメントありがとうございます!!国見ちゃんわっしょいは不滅です(笑) (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 瑞稀さん» 生きがいだなんて、、!嬉しいですありがとうございました!!白布くんも頑張りますので是非見てくださいぃい!! (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カカシ | 作成日時:2020年3月26日 14時