41話 ページ41
そして、女は台の上に仰向けにさせられ、その横にはペンチやナイフ、肉たたきなどの人を殺傷するための道具が揃えられた。
女が屍のようになってからが本当の楽しみだった。この場に居る者が賭けで楽しんでいるわけではなくなっていた。
男は身体的痛みで苦しんでいる女性に性的興奮を覚えるという性癖を持っていた。実際に、残虐な行為の最中でも賛辞や愛の言葉を吐いたりしていた。
これが男なりの愛情表現の仕方でもあった。
イルミは他人の性的嗜好に口を挟むつもりは毛頭ないが、家族が関わってくるとなると態度を変えた。
男とAが結婚という名の足枷で繋がることになるのなら、この男はこの行為を続けるのだろうか。また、この男がAに好意を寄せることになるのなら、Aも同じように扱われるのだろうか。
そして男が鈍器を振り上げたとき、その生命活動は終わりを告げた。イルミは男だけでなくこの場にいた全員に針を投げた。時が止まったかのような中でイルミだけが生きていた。
シルバとゼノは依頼人がいない無駄な殺しはしない主義だが、イルミは違った。
他人を生死を問わず利用し、自分にとって不都合なものは躊躇なく殺した。殺しはその先にある目的を達成するための手段のひとつだった。
｢早めにやっといて正解だった｣
息をしてない女の左手に小さくキラリと光るものがあった。それは男と同じデザインのペアリングだった。
それからイルミは国内に住んでいる他の候補も殺した。
偵察をするだけのつもりが、どの男も気に入らず同じに思えたからだ。この気持ちの昂りを収めるために自然と体が動いた。
今思えばAがあの男に屈するはずがないが、イルミとって弱いものであるのには変わりなかった。
それに後先のことはあまり考えていなかった。残された人間は息子の復讐に燃えるのか。
しかし、イルミは今更少しばかり敵が増えたところでどうでもよかった。無駄な選択肢が消えて清々したくらいだった。
イルミはこの事で母親はまた相手を探すだろうが、いちいち父親の手を煩わせるわけにはいかないと思っていた。
昔から危機管理能力が欠けているAのことは、これから自分が全て監理するのだと脳内で変換した。これはゾルディック家のためでもあると行為を正当化した。
今後正当な理由も無く外出するのは許可しない。オレが知らない人間と関わるのも許可しない。オレに隠し事をするのも許可しない。
｢Aはオレに生かされているのだから｣
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています！これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます！おかか様！ (10月8日 9時) (
レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです！ (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです！頑張ります！更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかか | 作成日時：2022年1月23日 14時
