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31話 ページ31

ミルキは暗殺者として十分な実力があり、それなりに仕事も貰っていた。
しかし、暇つぶし感覚でしたゲームからパソコンなどの電子機器にハマり、だんだんと外出することが減ってきた。それに加えてよく食べる子どもだった。お菓子やジュースも人の倍は胃袋の中に消えていった。

食欲は変わらないが引きこもるようになった分、少しふくよかになったように見えた。
このことをAがミルキの頬をつついて冗談交じりに言ったところ、それ以上の報復を受けたのは記憶に新しい。


また、ここ数年の間に新しい兄弟ができた。上からキルア、アルカ、カルトといって3人ともまだ小さい。今のところ確実に会話が出来ていると言えるのはキルアだった。

「なんで?どうして?」と好奇心の塊に対応するのは大変だったが、Aが会う度に小さい足で後を着いてくるのでとても庇護欲を掻き立てられた。
年が離れているのもあり、これが母性というものなのかと思ったりもした。


「姉ちゃんはさ、イル兄と何して遊んだ?」
「え?うーんとね」


突然のミルキの質問に対しイルミとの記憶を遡った。



ある日、ふたりはダーツで次の仕事を受けるか受けないかを決めようとしていた。シルバから振られた仕事だったが「Aとイルミどちらかでいい」と言われ、判断はこちら側に委ねられたからであった。
いつもならどちらがやるのかはすぐ決まるのだが、今回ばかりはふたりとも気が向かない理由があった。

そして、どうやって決めるのかを話し合った結果、お互いに経験のあるダーツでということになったわけだ。


「なにか予定とかあるの?」


ダーツを持って構えの体勢に入ろうとしているイルミにAが尋ねた。このタイミングで言うのはマナーに欠けるが、断る理由が何なのかを知りたかった。Aは単純に長距離移動になりそうな次回の依頼が嫌だった。


「なにも。まあ、あっても教えないけど」


そう言って、イルミの目とダーツと狙う場所が一直線に繋がった。引き寄せるような動作のあとに手から放たれたダーツが短い音を立てて20のトリプルに突き刺さった。

今回はゼロワンといい、ルールは決められた持ち点を先にピッタリ0にした方の勝ちというものだ。
持ち点は301、501、701、901、1101、1501の全6種類からなり、末尾がすべて01であることからゼロワンと呼ばれている。また、1ラウンドで3本投げることができる。

そんなにゲームを楽しむ時間も無いため301点からのスタートだった。

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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています!これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます!おかか様! (10月8日 9時) (レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです! (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです!続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです!頑張ります!更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おかか | 作成日時:2022年1月23日 14時

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