1話 ページ1
毒りんごを食べたお姫さまは、王子さまのキスで目覚めました。そして、結婚したふたりは、ずっと幸せに暮らしましたとさ。おしまい。
絵本を読み終わったAはパタンと閉じた。
5年ほど前、ゾルディック家に待望の子供が産まれた。長男はイルミ、長女はAと名付けられた。
ふたりは男女の二卵性双生児だったためか、双子と言われなければ気がつかない程容姿は真逆であった。
イルミは母親譲りの美しい真っ黒な髪に暗闇のような瞳を持ち、Aは父親譲りの艶やかな銀髪に鮮やかな青色の瞳を持っていた。
似ているところと言えば白い肌ぐらいだった。
ゾルディック家は世界で最も有名な殺し屋一族であり、先祖代々ククルーマウンテンの屋敷を住処としている。
曾祖父、祖父、祖母、父、母、兄弟からなる彼らは、依頼者からの金品受理を目的とした殺しを生業としている。
それでいて、決して不必要な殺人はしない。
また、自分らの楽しみのために人を殺しているわけでもない。
彼らにとって殺人はあくまで仕事だった。その教えは父親であるシルバから息子たちへと受け継がれる。
「100%確信がある時だけ実行しろ」
「仲間を裏切るな」
「勝算もなしに自分の能力を見せるな」
何度も言われ、脳に擦り込まれた暗殺のイロハ。
シルバは、自分がそうだったように息子、娘たちもまた暗殺者として厳しく育てていた。
物心ついた時からイルミとAにとっては、それがあたりまえであり、疑うことなく家の方針に従っていた。
一方、母親であるキキョウからは、たくさんの愛情を注がれていた。
ふたりを立派な暗殺者にするために、思考や体質など暗殺に必要なスキルを日常に組み込み、刻み込んでいた。
キキョウは、それがふたりの為になると信じて疑わず、暗殺者として成長していく姿を見る度に感激していた。
こうした両親から、イルミとAは幼少期から過酷な英才教育を受けていた。辛いと思うことも、楽しいと思うことも無かった。
また、キキョウは双子に服やおもちゃなどを大量に買い与えていた。
キキョウ好みのものがほとんどであり、自分の買ったものに囲まれ過ごしているふたりを見て満足していた。
イルミはそれほどおもちゃに興味を示さなかったが、Aはそれだけが楽しみだった。
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています!これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます!おかか様! (10月8日 9時) (レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです! (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです!続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです!頑張ります!更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかか | 作成日時:2022年1月23日 14時