逃げてもいいよ ページ20
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万次郎「……綺麗だな、オマエはずっと。
俺の傍にいるのに」
『……え、』
万次郎「何で汚れてくれないんだ?
こんな汚ねぇ手で触ってんだぞ」
彼が何を言ってるのかわからなかった。
だから、思ったままを口にした。
『万次郎は汚くないよ』
瞳の奥の黒が揺れる。
彼はゆっくりと、私の喉元に手をかけた。
万次郎「……まだ俺のことが好きなのか。
こんな人殺しでも?」
『……殺さなかったでしょ。今日の誘拐犯だって、』
万次郎「殺したよ。オマエを運ばせた後、すぐ」
言葉を失って万次郎を見つめる。
そこにはただ一切の感情を消した
暗闇があるだけだった。
万次郎「……俺を叱っていいよ、A」
逃げてもいいよ。
あまりにも優しい笑顔で、そんなことを言うから。
万次郎のうなじに手を回して抱きしめる。
私の腕の中にいるのは、
今にも壊れてしまいそうなほど傷つき、
絶望のあまり泣きじゃくる心を涙に変えることさえ
できずにいる、ひとりの男の子だった。
どれだけ愛してもやまない、私だけの飼い主だった。
『うん、大好き。
どんな万次郎でも、大大大好き』
あなたの望む言葉を言って離れたら、
簡単に命を棄ててしまうくせに。
それだけは絶対に許せない。
たとえどんなに彼が望んでいたとしても。
だから一緒にいるのだ。
自ら鎖に繋がれて、万次郎と生きると決めたのだ。
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東卍京 - 梵天の作品はやっぱりいいですよね。 (10月31日 17時) (レス) @page35 id: cee3cd750d (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - シーチキンさん» ひいい!って叫びたくなりますよね(゚∀゚)笑 (2021年10月12日 11時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)
シーチキン(プロフ) - 最高すぎて!!!!蘭ちゃぁあーん!! (2021年10月11日 18時) (レス) @page43 id: 05900c9320 (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - YULA.さん» 初めまして!ゾクゾクしていただけて嬉しいです〜!!頑張ります!! (2021年10月10日 9時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - あやさん» 嬉しいですすすす!!頑張ります!! (2021年10月10日 9時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:清花。 | 作成日時:2021年9月16日 18時