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第五十六話 お菓子の名探偵 ページ8

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あくまで期待はしていたけど、でも絶対会えないだろうなと思っていた。


だってそんな偶然世の中普通に考えてないだろう。そう、それなのにその偶然は実際起きた。いや、もしかしたらそれがフラグだったのかもしれない。








「おばちゃーん、これお願い!」



そう言って両腕一杯に抱えていたお菓子をレジで広げる青年。


それは何とも見覚えのある人物だった。





癖毛な黒髪と細目な目から覗く透き通るようなエメラルドグリーンの瞳。特徴的なキャスケット。


全体的にどこかの名探偵のような格好をした青年を、私はよく知っている。




思わず凝視してしまっていると、その青年、江戸川乱歩さんはゆっくりと私に視線を移した。


お互いの目がバチリと合って、私は何とも言えずじっと見つめる。そして彼も私をじっと見つめる。


何とも異様すぎる光景だ。





可愛いという気持ちとどうしようという気持ちが交差して固まっていると、乱歩さんは意外にも私の前にやって来た。




「…君、面白い瞳をしているね」



唐突にそんな事を言ってきた乱歩さんに、私は驚き過ぎて目を見張る。


面白いとは一体何だろうか。その言葉の意味が全く分からないものの、私は曖昧な笑みを溢した。




「…そ、そうですか…?」


「うん。…あ、因みに僕の名前は江戸川乱歩!まあ知ってると思うけど。何てったって、世界一の名探偵だからね!」



自身の胸を自信ありげに叩いた乱歩さんは、まさにアニメで見た通りの人だ。というかコミュ力の塊のような人だと思う。


感動と可愛さを噛み締めながら、私は思わず頬を緩めて笑みを浮かべた。




「私は天腥Aです。凄いですね、世界一の名探偵だなんて!」



乱歩さんのテンションに釣られるように私のテンションも高くなる。


本音を洩らしながら笑った私に、乱歩さんは僅かに目を見開いた後気分を良くしたのか無邪気に笑った。




「よく分かってるじゃないか!」



上機嫌な笑みを溢す乱歩さんを見ながら直感的に思う。


乱歩さんとは性格や波長が合うタイプだと。



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第五十七話 似ている→←第五十五話 淡い期待



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葉桜 桜 - 凄く面白いです!1日にリメイク前の物まで読んで、お話が小説の神様みたいです!更新、楽しみに待ってます!! (2023年5月2日 14時) (レス) @page19 id: e6215ef735 (このIDを非表示/違反報告)
わけめ - ついつい一気に読んでしまいました!更新、楽しみに待ってます! (2022年11月19日 23時) (レス) @page19 id: 979aaf8679 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 凄く面白いです! 無理しない程度に頑張ってください! 更新待ってます! (2022年7月14日 15時) (レス) @page19 id: 50f3e04b49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きを楽しみにしてます!! (2021年5月2日 15時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
はーちゃん - いや、神か?????面白かったです! (2020年11月19日 16時) (レス) id: 3ad67a8a12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水瀬月鏡 x他1人 | 作成日時:2019年7月21日 17時

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