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第5話 ページ6

「何すればいいんですか?」

『あぁ、あのね、そこの資料取りたいんだけど、私じゃ届かなくて』


先生が言いたいことは察せる。
細い指が指す先に目線をやった。

あ、あれか。


「よっ、…と。…これですよね?」

手にとった資料を先生に見せる。

『うん、これ。ありがとう。』

少し口角を上げる先生。
先生は表情は豊かではないけど、笑うと可愛いんだよなぁ。

俺も真顔でそんな事を考え、「戻りましょうか」と声をかける。

『国見、1個いい?』

先生に呼び止められる。

「なんですか?」

『国見、なんで手伝ってくれたの?
金田一が言ったとおり、こういうのあまりやりたがらないでしょ?』

先生の言葉に思わず無言になる。
そういえばなんでだろう。俺でもよく分からない。

『…もしかして、私だったから?』

意地悪な笑みを浮かべて尋ねる先生。
割とゲスいなこの人。


『それとも…頼んだのが金田一だったからかな?』


先生の発言に驚き、目をそらす。


“俺でいいじゃん” “なんで金田一なの”


さっき思った事を繰り返す。
あの時、何故か先生が金田一を頼ろうとした事が嫌だった。


『…あ、どっちもかな?』


先生はそう言って俺に近づく。


俺は、つまり、金田一に、



『国見、それはね、




“ヤキモチ”っていうんだよ』



耳元で囁かれ、熱が一気に上がる。

俺は、金田一に嫉妬したのか。
先生が他の奴を頼るのが気に入らなかったのか。


『何も言わないって事は、図星って事でいい?可愛い。』

「そんなんじゃないです。子供扱いしないでください」


からかいの言葉をかわして、廊下に出た。

先生はこうやって、俺をすぐ子供扱いする。
愛してくれるのは好きだけど、子供扱いされるのは嫌いだ。
俺だってもう18歳(大人)なんだ。


『はいはい、分かってるよ。』


なんて言う先生は、絶対にわかってない。


.

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ねじる(プロフ) - 舞桜@毒占欲さん» マジですか!いいですよねファーストレディー!ありがとうございます!!本当に嬉しいですっ、頑張ります!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 2befed96be (このIDを非表示/違反報告)
舞桜@毒占欲(プロフ) - え、え!作者様もファーストレディー好きなんですか?私もです!しかもハイキューとコラボなんて最高じゃないですか!国見君の気持ちが痛いぐらいにわかります…… これからも頑張って下さい!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 6a5d77360e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねじる | 作成日時:2019年11月2日 15時

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