第3話 ページ4
『…よかった、間に合ったね。』
駅に着いて時間を見ると、ギリギリセーフであと5分。
終電間際な事もあって、人は少ない。
『いつもありがとね、国見』
「いえ、俺が好きでやってるので」
…先生と長く一緒にいたいから、なんて言ったら子供っぽいかな。
『…あ、電車来る』
先生が呟く。
確かに電車の小さい音が聞こえる。
――やだ。まだ先生といたい。
電車がだんだん近づく。
先生、こっち見て。5秒でもいいから。
俺のことだけ見て。
声に出す勇気も無いくせに、そんな事を願う。
いつも、言いたくても、見ることしかできない。
そんな俺は意気地なしなのかな。
電車が目の前に止まる。
手が解ける。
「―――先生、」
やっと声を出すと、先生が振り返る。
振り返ったと思ったら、唇に柔らかい感触。
数秒だけ触れていたそれは、ちゅ、と音をたてて離れた。
そこでやっと、五宮先生にキスされたんだとわかった。
「―――ッッ!!!ちょ、先生っ、!」
『じゃあね、国見。』
満足気に微笑んだ先生は、確信犯だ。
俺は真っ赤な顔で、返事も返せずその場に立っていた。
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ねじる(プロフ) - 舞桜@毒占欲さん» マジですか!いいですよねファーストレディー!ありがとうございます!!本当に嬉しいですっ、頑張ります!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 2befed96be (このIDを非表示/違反報告)
舞桜@毒占欲(プロフ) - え、え!作者様もファーストレディー好きなんですか?私もです!しかもハイキューとコラボなんて最高じゃないですか!国見君の気持ちが痛いぐらいにわかります…… これからも頑張って下さい!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 6a5d77360e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねじる | 作成日時:2019年11月2日 15時