第13話 ページ14
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「…なんかすみません。迷惑、でしたよね」
『どうして謝るの?人に甘えるのは悪いことじゃないよ』
帰り道。
あの状態から再び行為に及ぶのは不可能と判断し、俺達は帰ることにした。
先生の前で泣いてしまった。弱いところを見られてしまった。
情けなさと恥ずかしさで謝ると、先生は不思議そうな顔で首を傾げた。
そういうことじゃないんすよ…男としてのプライド的なものがすげー傷ついたんすよ…
そんなアホらしい事言えるはずもなく、無言で道を歩く。
どうしてか、今日は先生が遠い気がした。
ちゃんと目を見てくれるのに。手を握っているのに。温度を感じないのは俺がおかしいのか。
もう駅が見えてきた。
いつもより着くのが早い気がする。
『あ…着いた。送ってくれてありがと、国見』
足りない。
『…無理しないでね、国見』
先生が、足りない。
『じゃあね』
まだ全然足りない、先生が欲しい。
気がつくと俺は、先生の腕を掴み、唇を重ねていた。
『っ、!?…んッ、んん…く、くに…み…』
驚いたのか、目を見開いて少し顔を赤く染めている先生。
珍しい表情にぞくりと何かを感じた俺は、また先生にキスをした。
『ちょ、くにっ、…ッ…んんっ』
「ん、っ………せんせい、」
名前を呼ぼうとする先生に、一方的に唇を押し付ける。
動揺気味だった先生も、次第に俺のキスを受け入れ始めた。
それが堪らなく嬉しくて。
どうしようもなく愛おしくて。
俺は1度、唇を離した。
『っは、ぁ……国見…?』
息を荒くしている先生の瞳を、じっと見つめた。
「…せん、せい」
肩を掴んでいた手を移動させ、ゆっくり、誘うように先生の頬を撫でた。
途端。
『ダメだよ、国見。』
少し鋭い目をした先生が、そう言い放った。
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ねじる(プロフ) - 舞桜@毒占欲さん» マジですか!いいですよねファーストレディー!ありがとうございます!!本当に嬉しいですっ、頑張ります!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 2befed96be (このIDを非表示/違反報告)
舞桜@毒占欲(プロフ) - え、え!作者様もファーストレディー好きなんですか?私もです!しかもハイキューとコラボなんて最高じゃないですか!国見君の気持ちが痛いぐらいにわかります…… これからも頑張って下さい!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 6a5d77360e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねじる | 作成日時:2019年11月2日 15時