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第11話 ページ12

『…ッ……国見、上手くなったね』
「そうですか?」


はだけたシャツの先生がそう言うので、俺は適当に返す。

“コレ”の上手い下手は、俺には分からない。
でも、先生が声を漏らして感じている事が、その証拠なんだろう。


『…ぁ、…っん……』


白い首筋に舌で刺激を与えると、艶っぽい声が耳に聞こえてくる。


この声が、顔が、堪らない。


この時間は、先生は俺のものだと自信を持てる。
俺が、先生を感じさせているのだから。


熱に浮かされた頭でそんな事を考えていると、先生の首に赤いものがある事に気付く。

それが何か一瞬分からず、固まった。


「……これ…」
『ん?…あぁ、それは彼がつけたの』


彼というのは、本命の男性の事だろう。
胸が締め付けられる。

何より、俺がいるのに平然と他の男の事を言う先生に傷付いた。


今までもそうだった。


―――先生ね、国見が好きなんだ。付き合わない?

―――国見。私、結婚するの


とんでもない事を、呼吸をするように平気な顔をして言ってるのける。

その度に俺は驚かされてきた。


…くそ、せっかくの機会なのに調子狂う。


『……国見?大丈夫?』


先生に呼ばれて我に返る。

…先生のキスマークに気を取られてた。
この時間に先生の相手のことは考えたくもないのに…


『……くにみ、』
「どうし……ッん」


答える前に、唇で言葉を呑み込まれる。


『ん…甘いね。塩キャラメルでも食べたの?』
「……〜〜〜先生っ…」


ぺろりと舌を見せて悪戯な表情をする先生。
そんな先生を、思いきり抱きしめた。


「……好き、です、先生。好きですッ……」
『うん。私も好きだよ。』


溢れてしまった言葉にも、先生はただ頷いて同じ言葉を返した。


先生の手が俺の背中にまわり、子供をあやすようにぽんぽんとたたく。

子供扱いされるのは好きじゃないけど、今は先生の優しさに甘えていたかった。


.

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ねじる(プロフ) - 舞桜@毒占欲さん» マジですか!いいですよねファーストレディー!ありがとうございます!!本当に嬉しいですっ、頑張ります!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 2befed96be (このIDを非表示/違反報告)
舞桜@毒占欲(プロフ) - え、え!作者様もファーストレディー好きなんですか?私もです!しかもハイキューとコラボなんて最高じゃないですか!国見君の気持ちが痛いぐらいにわかります…… これからも頑張って下さい!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 6a5d77360e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねじる | 作成日時:2019年11月2日 15時

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