検索窓
今日:7 hit、昨日:16 hit、合計:6,128 hit

第10話 ページ11

隣を歩く先生を横目で見る。


何を考えているか分からないこの先生を、俺は好きだ。

顔立ちは勿論、
冷静なところも、少し天然なところも、俺を愛してくれるところも。

全てが好きだ。

生徒想いで優しい先生。
だからこそ、見えない。


先生の意図が、全く見えない。


別に男好きではないし、その時の気分でこんな事をする人じゃない。

なんの為に俺とこの関係でいるのか。

拳をぐっと握る。
悔しい。

この人が好きなのに、愛しているのに。
肝心な“心”が分からない。


…やっぱり、俺は―――


『国見、ついたよ』


突然の声にはっとして顔を上げる。


先生は、保健の先生と何か話していた。


暫くすると、保健の先生が席を立ち、保健室を出ていった。


『出張があるんだって。他の先生も今日は忙しいから、保健室には誰も来ないよ。安心して。』



にっこりと笑う先生は、天使なのか悪魔なのか。


俺が棒立ちでいると、先生がベッドに座った。
そして、自分のシャツに手をかける。

露わになる先生の身体。

白い肌は陶器のように透き通っていて、細い腕が女性だという事を物語っている。


『国見。おいで』


先生が俺に向かって腕を広げる。


…最低な事だなんて、とっくに分かってる。
心では、分かってる。

…けどさ。

好きになったら、諦める方法とか知らないし。
「恋」というのは、どれだけ頭が良くても解くこと出来ない難題なんだ。

たとえそれが、報われなくても。


すみません及川さん。


俺は、自分の想いを止められない。
…変えられない。


自分のネクタイを解き、先生を押し倒した。



.

第11話→←第9話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.2/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ねじる(プロフ) - 舞桜@毒占欲さん» マジですか!いいですよねファーストレディー!ありがとうございます!!本当に嬉しいですっ、頑張ります!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 2befed96be (このIDを非表示/違反報告)
舞桜@毒占欲(プロフ) - え、え!作者様もファーストレディー好きなんですか?私もです!しかもハイキューとコラボなんて最高じゃないですか!国見君の気持ちが痛いぐらいにわかります…… これからも頑張って下さい!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 6a5d77360e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ねじる | 作成日時:2019年11月2日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。