男の本能 ページ17
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「大した目だぜ、なァ、失恋した青鯖さんよォ」
「誰が食べるのこんなの…」
「俺だよ、葡萄酒の肴にな、だから間違えて飲むなよ」
ああむかつく
何より中也に莫迦にされてる事が凄く癪でならない
「もう厭死にたい」
「勝手にどーぞ」
「なんでキスしたんだろ、いやそもそもなんで会いに行ったんだろ」
「一寸待て」
一人今日の失態を悔やんでいると、読みかけの資料をぽろりと落とした中也がこちらを向いた
阿呆面極まりない表情である
「キスした?手前が?其の女に?」
「そうだけど」
「え、だって手前、いつも散々振られて……同意は」
「無いのにしちゃったから頭抱えてるんでしょ」
「うわ」
心底引いた目を向けて、心なしか数糎離れて、「最低だな」と
「判ってるよ、判ってるけど……」
「けど?」
「…………ハァ」
たっぷり間を空けてから、大きな溜め息を吐いた私に、「はっきり云えや」と
なんだかんだ聞く体勢をとるんだ、この相棒は
そんな中也に、Aには一言も発せなかった云い訳を吐き出すべく、一つ、息を吸う
「………元を辿れば、Aの所為だ」
「へぇ、そりゃ又ご都合主義な云い訳だなァ」
「だって普段上げてる髪を下ろしてたんだよ?爽やかな天候も相まって風に乗ってシャンプーの匂いがするんだ、其の髪を伏し目がちに耳に掛けるのだから、そりゃ男なら誰だってムラっと___ 」
「五月蝿ぇ一旦黙れ」
強制ストップがかかった所で、はっとする、何を真面目に熱弁してるんだ私は、と
でも、だって、本当の事だから仕方が無い
悪人なら誰だって使う云い訳を述べるならば
悪気は無かった
只、本能の赴くままに、欲に忠実に行動した結果ああなった
「其れが駄目なんだろ、我慢しろよ」
「出来っこないよ、君もAに会えば判るさ、本当壊しちゃいたいくらい可愛いんだ」
「……いよいよ危ねぇな手前…」
頭を抱える私、溜め息を吐く中也
――なんで私、蛞蝓なんかに愚痴ってるんだろ…
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ななし - 待ってください本当最高すぎます!!続編楽しみにしています!今から待ち遠しいですー!!もし可能であれば中也オチと太宰オチのどちらも見てみたいです!! (2018年7月22日 6時) (レス) id: 5557df580c (このIDを非表示/違反報告)
ふらん - 続編が…楽しみぃぃぃ!やばいですね!最高です…! (2018年7月21日 17時) (レス) id: dbdc3a2a0b (このIDを非表示/違反報告)
桜来(プロフ) - わああそう来るんですか最高です.....!!続編が楽しみすぎます!!一巻お疲れさまでした!続編の方も応援してます!! (2018年7月21日 11時) (レス) id: 796169ce21 (このIDを非表示/違反報告)
インコ(プロフ) - 最高かよ…お餅さん最高かよ…続編待ちきれない…。ひとまず一巻おつかれさまでした! (2018年7月21日 10時) (レス) id: 059b544bd8 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 中也さん…?えっ…最高すぎませんか?続編1ヒット目指して神速で見ます(笑) スマホが手放せない…:( ;´‐`;): (2018年7月21日 10時) (レス) id: 6de4597e1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お餅 | 作成日時:2018年7月13日 7時