音駒の女マネは元サッカー日本代表。【ハイキュー×イナオリ】

楽しめ ページ36

つゆりside



灰崎に点を入れられてから、うちのチームの雰囲気が重くなった。



そして、ピーッという前半戦終了を知らせる音が。




タツヤは、重々しい雰囲気を放つチームメイトに声を掛けた。



「たかが一点入れられたくらいでどうした？灰崎の技の威力がそんなにすごかったか？それとも何だ？自分たちに自信がなくなったのか？」




確かに、言われてみると何でこんな落ち込んでるのかわからない。



「技の威力だったらうちのヒロトだって負けちゃいない。今までだって、みんなちゃんと練習してきただろ？それは無駄にはならないはずだ。いいか？今まで通りだ。いいプレーをしようなんて考えるな。みんなの今までのプレーは全部いいプレーだから」




あと、とタツヤは付け足した。



「つゆりはサッカーを楽しむんだ」



『サッカーを…楽しむ？』



「ああ。それが大前提だ。サッカーを義務だと思ったその瞬間、いいプレー…いつも通りのプレーは出来なくなる」



「つゆりお前、何か違うってずっと思ってたろ」



ヒロトが口を挟んだ。



私は、答えることが出来ない。



「答えないってことは図星だな。多分、何か違うって思う根本的な部分は…要はタツヤが言った通りなんだよ。つゆりはサッカーを楽しむことが出来てないから…っていう。な？まずはサッカーを楽しむことから始めようぜ」



私の胸につっかえていたものが全て消えたような気がした。



『うん…うん！二人ともありがとう！』

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