番外編 クリスマス ページ34
「ん〜美味しいっ」
樋口がカップケーキを頬張りながら目を輝かせる。
他にも休憩室の卓上には色とりどりで違う味の様々な種類のカップケーキが数個広がっていた。
『それはよかった』
後から一口かじった西野も美味しい、と漏らす。
「Aちゃんが手作りお菓子なんて、案外やるときはやるんだなぁ〜!」
これなら中也さんもイチコロだね!と、よくわからないことを言いながら苺とチョコレートクリームが乗ったものを食べる。
『日頃お世話になってるし…明日はせっかくのクリスマスだから』
「クリスマスかぁ…私も芥川先輩に何かプレゼントしようかな…」
とは言うものの彼女らにはクリスマスなんてものはない。24日も25日も仕事、仕事、仕事である。
『二人は、明日は何かするの?』
「私は明日は非番だから教か」
「え!西野さんずるい!」
『幹部でさえ全員出勤なのに!』
樋口とAが立ち上がって抗議する。それに対して西野は二人を不思議そうに見つめてから髪の毛を耳にかけた。
「あら、私クリスチャンよ?」
それは二人にとって初耳だった。
意外な西野のプライベートな部分に少し驚く。
「教会に行って…まあその後は特に何もしないでしょうね」
「なんか、西野さんらしいですね」
樋口とAは顔を見合わせて椅子に座り直す。
西野が、そういう樋口さんはどうなのかと聞き返した。
「私は今日も明日も早番で、家族とは今日パーティーするから…明日はその…芥川先輩と…」
樋口はほんのりと頬を染め、だんだん声が小さくなる。その姿にAは微笑んだ。
『ふふ。樋口ちゃん可愛い』
「んなっ!可愛くないよ!」
「頑張ってくださいね」
「うぅ…タイミングが難しい」
樋口は悶々と考え始める。
その間Aは自作のカップケーキを口に運んでいると、樋口が思いついたように手を叩く。
「Aちゃん!今晩私の家に来ない?」
『え?』
「お菓子作りを教えて欲しくて…」
樋口の突然の誘いに驚くA。
『でも、今日は家族でパーティーじゃ…』
「私、妹と二人だから人数が多い方が楽しいし、妹もAちゃんに会いたがってたから。ね、お願い!」
その後なんだかんだで樋口がAに頼んでAはやむなく承諾した。
西野も誘ったものの彼女は今日は遅いとのことで断られた。
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時