愛吐 26 ページ32
「おはよ〜皆さん」
『おはようございます』
翌日太宰とAが探偵社にて調査員の事務室を空けると一斉に振り向かれた。
「今は昼だぞ太宰。早くお前は仕事に取り掛かれ」
国木田独歩が近づく。他の社員も仕事をしているように見せかけてAの様子を伺っている。
「仕事って云ったって事務仕事なんてやりたくないよ私」
と、欠伸をする太宰,
「今日のお前は捕虜と取引だ。医務室にいる。早く行ってこい」
(…捕虜。紅葉姐さんの事だ。ほんの少し前連絡が入っていた)
国木田独歩はAに目を向けた。
「……杉崎。お前には話がある」
『何でしょうか?』
「否、櫻田A。お前を軍警に突き出すか捕まって情報を吐くか二択だ」
国木田がAに銃を突きつける。
『……そうですね』
その銃に真っ直ぐ向かい額と間数ミリの距離まで近づきその途端異能を解除する。
冷酷で、非道で残虐なマフィアの雰囲気を漂わせた。
その姿にそれ程は行かないが過去の自分を彷彿とさせた太宰は目を細めた。
『今この場でポートマフィアの準幹部を葬ってみせますか?』
しかも彼女は4年前の自身と同じような事を云ったのだ。
「……む。俺が人を殺さないのを承知な上でそんな真似をするのか」
『はい。どうせ実弾ではないのでしょう?』
「嗚呼……」
カチャリと国木田は銃を下ろした。
【____太宰さん。私と取引をしましょう】
『私は探偵社の狗になると太宰さんと取引しました。太宰さんは探偵社に尽くせば泉鏡花の身の安全とポートマフィアの勝利を保証しました』
(後は、何れ必要になるQのストッパー)
『喜んで捕虜になりましょう』
_________
『紅葉姐さん。無事ですか?』
「Aよ…!私は大丈夫じゃ。其方こそ怪我は無いようで良かった」
三社鼎立により怪我をしたと聞いていたが医師の与謝野晶子が何とかしたのだろう。
私は横にある椅子に座った。
『退屈な医務室に閉じ込められていても暇だと思って茶菓子を用意してきました』
紅葉姐さんの好きな老舗ブランドの菓子折りを渡す。
「ほう……私の嗜好を理解しておるな。有難く頂こう」
『良かったです。私も紅葉姐さんのお茶の味が恋しいのですよ』
「そうじゃな。暫く二人でゆっくり茶を飲む機会もなかったな。今淹れよう」
_____
「おい太宰。ポートマフィアの刺客を二人きりにして大丈夫なのか!?」
「へーきへーき。お茶会位しかしないって」
「……は?」
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時