愛吐 11 ページ13
「申し訳ありません」
『武装探偵社が手強いことなど最初から分かってる事じゃないの。で、収穫は?』
「其れが…全員異能力を作動する間もなくほぼ素手で_____」
『あー…』
(これは強い)
報告書の内容に頭を抱える。芥川くんが以前戦った際に使われた調査員、谷崎潤一郎の細雪はほぼチート。
他の社員も古い資料だが与謝野晶子の治癒能力も強い。
そして70億の検証首やら異能力無効化の太宰さん…
『更に社員は武道の心得がある…と』
「…はい」
かなり手強い相手だが人虎の護衛を崩す作戦が失敗ならば逆を行けばいいのだ。
『ならば少数かつ他の社員を呼べない状況下に人虎を置いておけば生け捕りにできる筈。何せ彼はまだ己の異能力を使いこなせていない』
さらりと机の中から書類を取り出しサインすると樋口ちゃんに渡す。
「分かりました。ならば私にもとっておきの秘策があります」
_______
『久し振り。Q』
「A…姉さん?」
閉ざしていた瞼を押し上げると彼の瞳に私が映った。
「ッ…!遊びに来てくれたの?」
『うん。そうだよ』
私だと確認すると嬉しそうに笑顔を見せるQ。私は地下牢の鍵を開けて中に入る。
「わぁ…!今日はどんな話をしてくれるの?太宰さんの話?」
『…ん?』
「A姉さんが話す好きな人って、太宰さんのことでしょ?僕知ってるよ!」
私は苦笑する。子供なのをいいことにペラペラと喋りすぎた結果その子供にさえバレてしまった。失態である。
『そんなこと…それにしても、腕は平気?』
「うん!どこも怪我してないよ!」
『良かった…外してあげるから一寸待っててね』
急いで話題転換をしたものの毎度この瞬間は緊張する。万が一刃物を外す際にQの腕を刺してしまったのならば____と考えるとゾクッと悪寒が走る。
拘束から外してあげるとQは私に抱きつく。
「僕ね、この時間が一番楽しみなんだ!大好きなA姉さんと話すのが本当に楽しいんだ!」
Qのキラキラとした瞳に罪悪感を覚える。
誰よりも優しく甘やかしてポートマフィアに依存させる。そうすることで私が辞めない限り彼はポートマフィアを裏切ることは絶対にしない。
彼の異能力は精神操作、敵に着くとこれほど厄介な異能はないが何せポートマフィアの敵になったとしても私の敵になる事はない。
だからこそ、首領は私に頼んだのであろう。
「ねえ…どうしたの?」
『ううん!…じゃ、太宰さんの話、しよっか!』
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時