え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

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Aside

｢俺はさ、Aと生活はできても配信は一緒に出来ひんわけやろ。
出れても声は出されへんし、Aと喋るのも無理やん。

そんなん……そらるさんとかまふくんとか天月とか96猫とか、歌い手はええかもせえへんけど、俺は出られへんねんもん、そんなんずるいわ。

やっぱり、自分の彼女が俺が介入できへんところでなんかしてるって、面白くないんよ…｣

そんなことを言いながら頬をかく悠。

かわいい…なんて。

ニヤつく頬を無理やり引き締めて、慎重に言葉を選んで口を開く。

『あの、ほんとごめん。
確かに私、悠のことほりっぱなしにしてた。

これからは、気を付けるようにする』

きちんと悠の目を見つめて、しっかりと言い切った。

こうした方が真心が伝わるのだと誰かが言っていたのを覚えている。

｢うん、これからはほんまに気ぃつけてな。

俺ヤキモチ焼きやから…
センラとか、うらさんにもお前独占欲強すぎってよう言われるし…

もしかしたら、ひどいこと言うてまうかもせえへんし｣

“あ、もちろん俺もそんなこと言わんように気をつけるけどな?!”
と悠は慌てて付け足すが、私は悠にそこまで酷いことを言われた記憶が無いのでまあそこは心配する必要は無い。

どっちかと言うと浮気騒動の時の私の方が酷かったな…と多少の後ろめたさを感じてしまう。

｢はは、なんか俺むっちゃ重いやつみたいやな…
ごめん…｣

『別に、そんなこと気にしなくていいってば。
私も重い方だし。

それに私、独占されるのって結構好きだよ』

行き過ぎた束縛は苦しいものだけど、程よい独占欲ぐらいなら全然OKである。

むしろ、ちょっとぐらいはヤキモチ妬いて欲しい。

｢ふーん、そうなんやぁ…｣

意外、とでも言うふうに目を見開く悠。

『ねむ…もう遅いし、寝よ』

お風呂も入ってパジャマで配信に参加していたので、あとはもうベットに入るだけ。

悠の手を引いて寝室へと歩き出したその途端＿＿視界がぐるっと反転して、目の前には私の手首をソファに固定している悠とその奥の天井が見える。

あれ？

｢でも…俺、怒ってるんよなぁ…｣

いつもとは違う手つきでするりと私の頬を撫でる悠に、嫌でもこれからの展開を意識させられる。

あ、あれ……？

『え、えーと…今日は無理かな、あはは…』

｢＿＿なんで？｣

悠お得意の首を傾げる仕草でさえ、妙に色気が漂っている。

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