え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

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Aside

『＿＿ッ、クリアー！
はあー長かったぁ………』

悠と2人ではしゃぎまくること数時間、なんとか区切りの着くところまではクリアできた。

終始私が死にまくる一方で悠はすいすいと進んでいき“下手くそやなあ”と苦笑されることも多々あったが、悠のアドバイスやサポートのおかげで何とかここまで来れた。

かなりの時間を要したこともあり、達成感が凄まじい。

｢ゲーム楽しいやろ？｣

それ見た事か、と勝ち誇った顔の悠。

コントローラーをローテーブルの上に置いてから頷き、笑った。

『うん、ちょっと難しかったけどね。
まだ下手だから、また配信とかしながら練習してみようかな』

｢そんときは俺呼んで。
セッティングとかAだけじゃ分かれへんやろ｣

『いや、もう大丈夫、覚えた』

｢ん？？｣

圧力がすごい。

悠の言わんとしていることは分かる。

そんなこと言って配信に出たいんだろ。

さりげなく存在感を出したいんだろ。

でも、悠が出たら色々とめんどくさいんだよ!!

リスナーさんが大騒ぎしてお兄ちゃんにバラしたときなんかはほんとに酷い目にあった。

悠だって一緒にお兄ちゃんをなだめてたくせにそんなことはけろっと忘れているらしい。

『……だめ。
だいたい悠は一般人なんだから！
勝手に出て困るのは悠なんだからね！』

じーーーーーーっ。

悠の純粋無垢な瞳がこちらをずっと見つめている。

それっぽい理由をつけてはいるが内心は“めんどくさい”1色の私の心の中を見透かしているみたい。

『……お願いするね』

｢マジ？ありがと！｣

くそ、満足そうな顔しやがって。

マジ？じゃないよほんとに。

こっちが折れるってわかってて聞いたろ。

｢うわ、もうこんな時間やん。
ご飯食べへん？｣

恨めしげな私の視線を誤魔化すように明るく昼食の話題に切り替える悠。

調子のいいヤツめ。

『私あんまお腹すいてないなあ』

｢わかってると思うけど抜くっていう選択肢は我が家にはないからな｣

『まじですか…』

｢ちなみに抜いたらそらるさんに連絡します｣

『はい食べまーす』

断じて少食な訳では無い。

むしろ人並みか、人よりも少し多いくらいだと思っている。

悠が食べ過ぎなだけなのだ。

『あー、悠だってご飯の量減らしてるじゃんズルい！
私だってこんなにいっぱい食べれないのに…』

私のは山盛りにしたくせに悠のお茶碗には少し控えめな量が盛られている。

｢いや俺はダイエットしてるから…｣

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