え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

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坂田side

｢も…ねむぃ………おやすみぃ……｣

｢おい坂田ここで寝んな!!!｣

｢アッ、いたいぃ………｣

思いっきり叩かれても眠いものは眠い。

少し意識が覚醒しても、それは所詮一時的な覚醒に過ぎない。

俺の意識は、すぐまた船を漕ぎ始める。

〈坂田最後らへん半寝だったろ。
リスナーさんもめちゃくちゃ笑ってたし〉

〈寝言も凄かったですよwww
“そぁうさん……さーせんした、や、ほんまに…”
とか言うてましたし〉

今回はリモート参加の裏千家の笑い声も聞こえるけど、もう眠すぎて正直それどころじゃない。

さっきまで“浦島坂田船3時間マラソン”をしていた俺たちはゲームをしてたのだが、最後らへんの俺はそれはもう眠気が酷かった。

１回ソファから転げ落ちかけたし。

まあ志麻くんが支えてくれて床に頭を打ち付けずに済んだけど。

｢うーん、最近作業夜遅くまでしてるから……

なんかまた生活リズム崩れてきてるわ…｣

まあ同棲するまではこんなん毎日やったんやけどな。

いかにAに助けられてきたがわかる。

〈マジでAちゃんに心配かけんなよ。
もし寝不足とかで倒れたらそれこそAちゃん＿＿＿

おい坂田、聞いてる？〉

｢あ、また寝かけとるわコイツ｣

〈志麻くんもう１回殴ったればええねん〉

うらさんのお説教としませんの会話をbgmにまた眠りかけていると、志麻くんに枕を奪い取られる。

俺はそのままの勢いでソファの下へ。

｢おい坂田おきろー！

アッ、お前りんちゃんのクッション枕にすんな！
ぺちゃんこになるやろ、もー……｣

｢あう…｣

そう言ってクッションのホコリを払う志麻くん。

俺よりクッションの心配かよ。

｢いやあ…最近ストレス溜まってて…
つい作業にのめり込んじゃって……｣

そうぽやぽやとした意識で言えば、うらさんは電話の向こう側ででっかいため息をついた。

〈ついって………お前なあ…〉

〈とうとう同棲に疲れたんですかぁ？ww〉

｢センラ、お前失礼やな……

Aは悪くないねんけど…
Aに嘘ついてる気して罪悪感ハンパない…

こうやって配信の度に仕事とか言ってメンバーの家来させてもらってんのも、疲れたわ…｣

そう、ほんまに疲れた。

こうして配信している間も、Aは俺が仕事してると思ってるんやもん。

家に帰ると必ず眩しい笑顔で迎えてくれるAを見ていると、いつも胸が痛む。

俺は……Aに内緒でこのままやってていいんだろうか＿＿＿＿？

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