激推ししてます、太宰さん！

太宰さんのだめぇ。 ページ22

女性はまた冷静な顔に戻り、話を始める。
ハートが強い模様。

女｢それで、依頼というのはですね、我が社のビルヂングの裏手が最近善からぬ輩が屯している様なんです。｣

女性は机に置かれたティーカップをカチャリと手に取り、口に含む。

谷｢善からぬ輩っていうと？｣

女｢分かりません。ですが、襤褸をまとって日陰を歩き、聞きなれない異国語を話す者もいるとか。｣

いつの間に帰ってきたのでしょうか、国木田さんが｢そいつは密輸業者だ｣という。
軍警がいくら取り締まっても涌いてくるのだと。

今回の任務は、軍警に掛け合えるよう、現場を張って証拠を掴めばいいみたい。
国木田さんは眼鏡のブリッジをかちゃりと持ち上げ、敦くんを指さす。

国｢小僧、お前がいけ。｣

敦｢へ！？｣


｢ただ見張るだけ｣とは言うが、それで済んだらいい。潤くんとナオミちゃんも一緒に行くようだが、それでも尚不安は残る。
なんとなくではあるけれど、太宰さんはきっと何か仕掛けてはいると思うが…。


『国木田さん、それ、私も行っていいです？』

国｢……お前は大丈夫なのか？さっきの…｣


？


ああ、太宰さんの心中誘いのことですか。
きっと太宰さんは何か事情があったのだと思う。何かは仕掛けいるはず。
全くの勘なので、そう思いたいだけかもしれないけれど。
それにしてもこの女性からは、


一般人の香りじゃないものがする。



『はい、問題ないです。』

太｢なに、Aちゃんも行くの？｣


太宰さんがドアの隙間からひょこりと顔を出して尋ねる。
＿＿こんなに可愛いことありますか。


『だめですか？』

太｢んーーー……だめぇ…と言いたいところだけど、そういうとAちゃんの機嫌悪くなる気がする。｣

だめぇって。だめぇって。録音しておきたかったです。


『……だめ、ですか？』




太｢……はあ。私は美人には弱いのだよ。
…敦くんと行くといい。くれぐれも気をつけてくれ給えよ。｣

『いいんですね、頑張ります！』



相川A、頑張ります！



国｢なんでお前は気付かない？？｣

太｢まあまあ。もう少し楽しむとするよ。｣

『？何を楽しむのです？』

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