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鬼さん三十八人 ページ40

晴太は持っていた金を投げ出し拳を握り締めた。

[意味ならあるさ。]

[そうですよ!これで堂々とお母さんに会いに行けるだろ?]

ま、その為の花魁姿だもんな。

[元々、お母さんに会うのにお金が要るなんて可笑しな話アル…会いたい時に会うのが親子アル!]

[婆さんがそんな下らない事のために金稼がせてたと思ってたアルか?依頼金はしっかり万事屋が頂いたヨ!]

殺気を受け三人を抱え階段から飛び降りる。

[チッ……大丈夫か?お前ら。]

[はい!でも、何!?]

屋根の上にいたのは女だった…。

[百華…死神太夫……((ボソッ…]

不味いな…百華のお出ましだ。

[百華自警団……死神太夫と恐れられる。]

[月詠でありんす……命…良しなに!!]

木刀を抜きクナイを弾く。

[行くぞ、走れ!]

新八と晴太を抱え走り出そうとするが神楽が残っている。

[晴太が狙いだな……晴太!俺から離れるなよ。]

[うん!]

[わっちの狙いわ……主じゃ!!!]

晴太と俺に向かってクナイが飛んでくる。
晴太を庇い、背中に来るであるう衝撃に目を瞑る。

スっと人の気配が入り後ろを向くと弟の姿が会った。

[よォ、待たせちまったな。]

そう振り向いた銀時の頭にはクナイが刺さっていた

[銀時……登場して来たのは良いが台無しだぞ。]

[あ、あのすみません銀さん……えっと…刺さってます……。]

すると銀時はクナイをスッと抜き。

[え、何が?]

惚けた。

[い、いや今完全に刺さってましたよね?それ……大丈夫ですか?]

[え?何言ってんの刺さってねぇよ?何も。]

やべぇ…銀時めっちゃ恥ずかしいじゃねぇか…。

[クククッ……銀時大丈夫か?]

[だ、だから何が?ほら。]

[いや、血だらけだし…無理しないでください。]

俺は笑い堪えるのに大変だわ……まぁ、確かに銀時は血だらけだ…主に顔が。

[刺さってねぇって言ってんだろォが!]

逆ギレ……?掠ったとか言ってるけどアレ完全に刺さってたよね?

[刺さってないって本人が言ってんだろうが!]

[うるせぇよ!銀時!いつまですんだよこの茶番!もう良いだろ何逆ギレしてんだ!]

[だから刺さって無いって!!]

[黙れ、銀時。]

[ア、ハイ……ワカリマシタオニイサマ。]

[わっちの攻撃を“全て”撃ち落とすとは…主何者じゃ。]

[気ィ使ってくれてるぅー!全部打ち落としたことにしてくれてるぅー!良い子だよあの子いい子だよ!]

あー不味い……笑いそう…凄い笑いそう。

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作者名:shell | 作成日時:2019年3月19日 18時

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