鬼の子と言われた兄弟は何処へ行く？ (ページ34)

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鬼さん三十二人ページ34

［それは知ってるんですけど……銀さんって天パだし、目は死んでるし……Aさんは正反対じゃないですか…目死んでない、サラサラストレート……。］

酷い言われ様だな銀時……。

［何でだろうな…でも血は繋がってるし弟には変わりねぇから、まぁ疑うのも無理はねェさ。］

料理も出来た神楽は夜兎族だし大食らいか。
多目に作っといて良かった。

［さ、新八出来たぞー。］

［美味しそうですね！運びますね！］

ご飯も食べて神楽は満腹で寝てる…新八は皿洗いしてくれてるし、松陽さんは仕事してる……。

［銀時…俺ちょっと外行ってくるわ、散歩に。］

［おーう……気を付けて行ってこいよ。］

［気を付けてくださいね？A。］

［分かってますよ…じゃあ新八も行ってきます。］

［はい！］

キセルを蒸かしながら夜の町を歩く……。

［今日は月が綺麗だな……良い月夜だ…。］

橋に腰掛け月を見る…綺麗な満月だ。

［ふぅー………血の匂いか？］

煙を吐き息を吸うと鼻に着く鉄の臭い…これは血だな、物騒な世の中だな昔から変わらねェ。

［お兄さん……こんな所で夜一人じゃ危ないよ？］

突然話しかけて来た男……フードを目深に被り顔は見えないが喜びの時の色が出てやがる…こいつ人斬りだな。

［お前さんこそ危ないんじゃないか？一人はどちらも同じだろう。］

［んふふふ……そうだねェ…同じだァ。］

気持ち悪ぃ笑い方するな……ジリジリと近寄ってくる人斬り…。

［アンタ人斬りか……で？この廃刀令のご時世に帯刀してるなんて攘夷志士か幕府の犬だろ？］

幕府という言葉に反応を見せる人斬り…微かな殺気が千里眼を発揮させる……斬りかかってくるんだろう。

背中の大太刀に手をかける……後ろからも殺気が。
素早くしゃがみこみ人斬りの背後に回る。

刀を太刀に変形させ人斬りの腹を貫く…と同時に人斬りの首が飛ぶ…。

［……流石兄貴だな…。］

［晋助？晋助か？］

目の前に居たのは晋助だった……色気が増して更に色っぽくなった…。

［そうだよ……兄貴…探した。］

ギュッと俺に抱き着き頭をグリグリして来る晋助、あれ…晋助ってこんなんだっけ？

［晋助……ごめんな…俺はここに居るつもりだからずっと。］

［家はどこに住んでるんだ。］

［森の中の家…周りに花が咲いてるから分かりやすいと思うぞ？］

［分かった…兄貴一つ質問なんだけどよ？俺と一緒に来る気はねぇか？］

［無い、一緒に行ったらお帰りが言えねぇだろ？］