これから ページ10
Aside**
あ〜〜〜〜こんなに全身がじわじわ痛いのは児童福祉施設のババアに追いかけられて4階から飛び降りた時以来だ。くそ、あのハゲめ。
でもまさか、天井があの程度の衝撃で崩れるほど脆かったとは。手抜き工事かどうか再調査することをオススメする。
レオリオ「とにかく、この様子じゃ試合どころじゃねぇよ」
黙って倒れたままいると、ついにレオリオが私の容態を見て勝手に判断を下した。彼の安静にしたほうがいいという優しい気持ちが汲み取れないわけじゃないけど、試合を諦めるわけにもいかなかった。
「バカ野郎。まだ試合は終わらないんだよ」
お前も相変わらずだなと、よろよろ立ち上がる。足って普段、こんなに体重支えてるんだっけって言うくらい足に負担がかかってるのがわかった。
レオリオ「あぁ!?お前今自分がどんな状況かわかってんのか!?」
「レオリオ。私が何でわざわざ、あのハゲを庇ったのかまだわかってないようだね。優しさなんて甘い理由じゃない。…ただあの時、この試合を終わらせたくなかったんだよ」
レオリオは、険しい表情で私の話を聞いた。彼が試合を止めようとしたのも、今私の話を黙って聞いてくれているのも、全部が彼の優しさだった。
ハンゾー「…そんなこったろうと思ったぜ。お前があの一瞬で俺を蹴飛ばしてなかったら、俺は下敷きになって死んでただろうからな」
どうやらハンゾーは無事だったらしい。焦って容赦なしに蹴飛ばしたから多少傷を負っているが。
「そういうこと、じゃあ始めようか」
ハンゾー「しかーし!俺は降参するぜ。まいったよお前には」
「はぁぁぁ?何でだよ。頭でも打ったの?それともトイレ我慢してる?」
ハンゾー「馬鹿にしてんのかテメー。いくらやっても俺はお前には勝てねぇよ。審判、次の試合を始めるぜ」
「ふざけんじゃねぇジャポニイズ!お前の取り柄は諦めないとこだろ!あれは私に殺されないための演技か!?」
レオリオ「おい、暴れんじゃねぇ。お前はとにかく医務室で安静にしてろ」
ブーイングを飛ばしてもハンゾーはこちらに背を向けたまま何も言い返さなかった。
ネテロ「この試合、Aの勝利!」
ネテロ会長がゆっくり言い放つ。これでもう何も変えられなくなった。
命を張って守った試合はあっけなく終わってしまい、試験に合格してしまった。これからのことは大人しく医務室のベッドで横になりながら考えることにする。
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作者名:ナツメ | 作成日時:2018年11月19日 18時