そうやって彼女は ページ49
除念をしてから二日が経って、体はかなり安定してきた。しばらくクロロ様の命令で練の特訓をしていたが、今日ついに彼は私にこう言った。
クロロ「うん。調子もいいし、そろそろやるか。水見式。どうせやったことないんだろ」
「よくわかってらっしゃる」
私は半笑いでそう返した。これをやるということは、ついに私も本格的に念を使うようになってくるということだ。ここから先は、私が知らなかった世界。そして皆は随分前からそこにいた。
「ねぇ、クロロは私、何系だと思う?」
準備をしながら何気なく聞いてみると、クロロは一瞬考えてすぐに答えを出した。
クロロ「そうだな……まぁ、操作系よりの放出系ってとこかな」
「えー!私は変化系に明日のお昼ご飯を賭ける!」
もうすぐわかるようなことを話している間に、準備ができた。私は寝転びながらそっとグラスに手を近づける。
クロロ「おい」
「え!何、問題発生?」
クロロ「ちゃんと座ってやりなさい」
まったくそんな子に育てた覚えはないぞ、と溜め息混じりなクロロを横目に仕方なく座りなおす。まったく、緊張感のない奴等だ。
「よし、完璧?」
クロロ「あぁ、はじめていいぞ」
もう一度、グラスにそっと手を近づける。
その一瞬で、グラスの中の水は誰にでもわかるくらい大袈裟な変化をした。そのことにより、私の予想は大きく外れることになる。
クロロ「水の色が変わった。放出系だな」
クロロはドヤ顔をこちらに向けながら満足そうに頷いた。そして私は明日のお昼ご飯を失った。
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作者名:ナツメ | 作成日時:2018年11月19日 18時