番外編 シャルナーク青年の苦悩 2 ページ48
フィンクス「はー、まぁAは団長のお気に入りだもんな」
つまんねぇ、とでも言うようにフィンクスは溜め息を吐いた。最近暇そうだしな、フィンクス。
フェイタン「二人の間には誰も入れないね」
シャル「そ、そんなことないんじゃない?団長ああ見えて子供っぽいとこあるしさ、同じように子供っぽいAと波長合うんだよ。きっと」
いや何で張り合う必要があるんだ俺。だいいちこんなこと言うとこいつらは……
フェイタン「はは、必死ね」
フィンクス「シャルはAのことになるとこうだよな。そんなに好きならさっさと告っちまえばいいのによー」
来た〜〜〜〜無責任お節介野郎〜〜〜〜!!!
シャル「う、うるさいな!別に俺そんなつもりは…」
フェイタン「なら他の奴に盗られても文句言えないね」
シャル「っ…何だよソレ……」
俺のことからかってるってバレバレだけど一理ある……流石は悪党だ。
でもあのAに正面から好きだ!なんて言って何になる?「わはは、当たり前じゃん仲間なんだし」って言うに決まってる……
そもそも俺、彼氏彼女とかよくわからんし…ただ好きだから一緒にいたいってだけじゃ駄目なのかな…でもそんな悠長なこと言っててぽっと出の奴に盗られたりなんかしたら………それこそ最悪じゃないか!でもぽっと出の男にホイホイ着いていくAも何かヤダ!
シャル「あーもう!!!放っといてってば!」
自分の女々しさへの苛立ちを、すっきりさせたくて大きな声を出した。ほんとに俺のことは放っといてくれ。
フィンクス「俺らはただ、ヨコシマな感情だらけで息詰まって、大事なこと忘れちまったシャルのことが哀れで見てらんねーってだけだ」
シャル「はぁ〜…?」
ヨコシマとかどういう意味だよ…俺の苦悩を知らないくせに好き勝手言いやがって…!何か上から目線だけどだいたいお前彼女なんかいね〜だろフィンクス!!と心の中でだけ叫ぶ。口に出すと面倒だから。
けどまぁ、知らないからこそ言えることなのかもな。頭の片隅くらいには置いておこう。
多分俺はどうしてもAが好きだ。一緒にいる団長ズルいって思うし、何より盗られたくないって思うんだから、そうだ。そんな汚い独占欲からでしか自分の気持ちに気付けないなんて本当にどうかしてる。
けれどもう、好きになってしまったんだから俺一人ではどうにもできないんだ。この気持ちは。
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作者名:ナツメ | 作成日時:2018年11月19日 18時