狂人たち ページ35
エド「聞いて驚け!これが私が1ヶ月もの時を費やしついに完成させた“カプセル型念能力発見機”だ!!この中に入るだけで人体にかけられた様々な念を見破ることができる!つまり、念によって呪われてるかどうかわかるということだな!」
だっさい名前だな!捻りも何もないじゃないか!なんて突っ込んでいる場合ではない。今問題なのは私に何の説明もなく事が進んでいることだ。
「ちょっと待て、まさか私が誰かの念で呪われてるかもしれないってこと?」
エド「何だ。何も説明してないのか?」
クロロ「あぁ、そういえばまだだった。A、つまりはそういうことだな」
こ、こいつ……!!ものぐさ太郎にも程がある…!
「いやいやいや、納得できない」
こんなわけわからん装置に説明もなしで入ってたまるか!
クロロ「うるさい、さっさと入れ」
「あーー!!やめろーっ!!」
エド「大人しくするんだな!入らないという選択肢は存在しない!」
くっっそ仲間が一人もいねぇ!!
『エド?誰か来てるの………ってうわぁ』
狂人二人に両腕を掴まれて暴れているところ、先程撃退したショタがひょっこり顔を出した。そして彼は年不相応の白い目でこっちを眺め立ち尽くす。
「助けてクソガキ!子曰く、困ってる美人なお姉さんは助けなくちゃいけない、だ!!おい!聞こえないふりか!?」
という抵抗も虚しく、私はさらりとカプセルの中に押し込まれた。ショタはガン無視だった。
「おい!外から鍵とかかけんなよ!」
エド「わっはっは!猛獣を入れるのに鍵をかけないわけないだろう!さぁ何が起こるか楽しみだ!」
しっかり鍵をかけたエドは嬉々としてそう言った。このマッドサイエンティストめ!と叫んでやりたいところだが、もう入ってしまったものは仕方ない。それに子供の前でギャーギャー喚くのはお姉さんとしてのプライドにも傷を付けることになるし……まぁそれはそれとして。
ガラス張りのカプセルなので向こうの様子もしっかりと窺える仕様だ。
エド「安心しろ!実は特殊な光線を当てて体内を見るだけだ!言ってしまえばMRIみたいなもんだな。痛みはない、多分。うまくいけば」
保険かけまくってるじゃないか…!ここから出たら殴ってやる。
エド「それではさらばだ!!」
「はぁ!?!?!?ちょっと待て!!」
冷静を失ったその瞬間、目の前の景色が真っ白に光り、まるで自分の頭の上に雷が落ちたような衝撃を感じた。
もしかして死ぬんじゃないか、と思った。
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作者名:ナツメ | 作成日時:2018年11月19日 18時