六等星 3

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光ページ26

ネテロ「さて、これでもうこの建物を一歩出たら諸君らはワシらと同じ！ハンターとして仲間でもあるが商売敵でもあるわけじゃ。ともあれ次に会うまで諸君らの息災を祈るとしよう。
では解散！！」

それぞれが部屋を出て、散り散りになる。私はどさくさに紛れてお得意の手法で三人の持ち物に手紙を忍び込ませた。キルアの分は、ゴンのところに一緒に入れた。きっと彼なら届けてくれるだろう。

クラピカ「A…体は大丈夫なのか？」

「あぁ、うん。まぁね。そうだ。私の拳銃、一丁しかなかったんだけど、誰かが持ってたりする？」

サトツさんが預かってくれていたのはガバメント一丁だった。どっかで落としたデザートイーグル、まだ返ってきてないんだけど。

レオリオ「ああ！！あの銃ならそういやお前が行ったあと、キルアが拾ってたな」

マジか！！キルア、さてはそのまま持って行きやがったな…！？

「あ～……どうしよ。困ったな」

今しがた入ったメールのせいで、どうしてもキルアのところに取りに行けない。

ゴン「なら、Aも一緒にキルアのところに行こうよ！」

やっぱりそう来るよね。行けるなら行きたい。でも、そっちの道は私が行くべき道じゃない。

「…ごめん。先約がいて、すぐ行かなくちゃいけないんだ。それあげる、ってキルアに伝えといてよ」

ゴン「…………そっか。じゃあ、また会ったときに返すよ！」

……うん。わかった。

「それじゃあ、皆元気でね。いつまでも健康にいるんだよ」

こんなにも親しくなれる人たちと出会って、別れるのは始めてだ。だから少しだけ、胸の辺りが苦しい。キルアもここにいれば良かった。でも私は、そっちを追いかけるわけにはいかない。

クラピカ「待ってくれ……！」

「ブー！時間切れでーす」

彼も、こっちに来てはいけない。

クラピカ「っじゃあせめて、また会おう！」

でも、彼はまた私の方に手を伸ばす。そう、何度もそうやって。だから私は呆れて笑った。

「ありがとう」

あぁ、駄目だ。私やっぱクラピカに甘い！

レオリオ「しっかり休めよ！じゃあな！」

ゴン「ありがとう！またねーー！」

一度だけ振り返って手を振った。それからはもう、振り返らないでおこうって心に決めたから、前を向いて歩いた。松葉杖は捨てて、自分の力で地に足をつけて。景色が揺れる。

やっぱり世界には悲しいことなんて、なにひとつ無いんだ。