最終試験 合格の兆し ページ3
飛行船が最終試験の会場へ到着したのは、4次試験が終了してから3日経ってからだった。その間、例の四人と楽しく過ごし、良い思い出を作ったわけだが…いよいよ。
ネテロ「最終試験は1対1のトーナメント形式で行う。その組み合わせは…こうじゃ!」
ネテロ会長がボードに被せられた白い布をスルリと取ると、それぞれの受験番号がトーナメント形式で書かれていた。頂点は、たった1つ。もしこの表が勝ち残り式のものなら、一人しか合格しないってことだ。既にその事に気が付いた周りの皆さんは黙って会長の説明を待った。
ネテロ「さて最終試験のクリア条件だが、いたって明確。たった1勝で合格である!」
ということは、このトーナメントは勝ち残り式でなく、言わば負け残り式……頂点にある1本の線が意味するものは、不合格というわけだ。
ハンゾー「要するに、不合格はたった1人ってことか」
ネテロ「さよう。しかも誰にでも2回以上の勝つチャンスが与えられている。何か質問は?」
ボドロ「組み合わせが公平でない理由は?」
うわっ、ほんとだ。よく見たら受験生によってチャンスの数が違う。なるほど、まさしくこれは世に言う依怙贔屓!由々しき事態である。
ネテロ「うむ。当然の疑問じゃな」
ネテロ会長は得意気に頷いて、質問に答える。
ネテロ「この取り組みは今までで行われた試験の成績をもとに決められている。簡単に言えば成績のいい者にチャンスが多く与えられているということ」
なるほど!それなら私にチャンスが6回もあるのも納得がいく。……いや何でだ?キルアと缶蹴りしてたことも、ヒソカに800万でプレート売り捌いたことも、試験官はちゃんと見ていただろうに……
キルア「それって納得できないな。もっと詳しく点数のつけ方とか教えてよ」
私が首を傾げている間に、キルアが一歩前に出てネテロ会長に突っ掛かった。確かに、本当に成績順だとすればこの結果は何か変だ。
ネテロ「ダメじゃ」
キルア「なんでだよ!」
わざわざ突っ掛かっていったのにひらりと逃げられたキルアが健気で、何とも面白くて抑えきれず誰にも見つからないようにこっそり笑った。
ネテロ「採点内容は極秘事項でな。全てを言うわけにはいかん。まぁやり方くらいは教えてやろう。まず審査基準。これは大きく3つ。身体能力値、精神能力値、そして印象値。これから成る」
ん?最初の2つはまだしも、最後のやつなんてほぼ審査員の好みなのでは。
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作者名:ナツメ | 作成日時:2018年11月19日 18時