検索窓
今日:11 hit、昨日:37 hit、合計:42,629 hit

相棒はピストルのみ ページ2

拳銃を扱う上で最も肝心なのは、手入れだと思う。
昔から細かい作業が苦手だったから、何度も銃を壊して死にかけたのだから、きっとそうだ。まぁ、こうしてまだ生きているわけなんですが。普段から拳銃を二丁持たされていなかったらとっくの昔に死んでたに違いない。トイレに立て籠り、銃の手入れをしながら昔のことをふわふわ思い出して一人でちょっとだけ笑った。


いつだったか、『お前は何故拳銃で戦うのか?』と聞かれたことがある。

捉え方にもよるがその人はきっと、「念能力っていう超便利な力が存在して、それを知っているにも関わらず、何でお前はわざわざそんな役に立たないオモチャを持って戦場に来てんの?」って聞きたかったんだろう。そう思うのも無理はない。幻影旅団のメンバーは全員が当たり前のように念のプロで、各々違った自分だけの特殊能力を駆使して戦うのだ。ただ一人、私を除いて。
何でかって言われても、よくわかんないんだけど、多分私には念の才能とかセンスみたいなものが全くなかったんだと思う。精孔を開くのにおよそ一年かかったし、念の特訓には時間がかかりすぎて肝心の発まで辿り着かないうちに真剣に取り組むのをやめてしまった。つまり念って、私にとってはそういうもので、それくらいの力だった。
皆が出来てても私が出来ないなら仕方ない。私は私の戦い方をしよう、ぼんやりとそんなことを考えたことがある気がする。今はもう、色々悩んでるのも馬鹿らしくて何が何だかよくわかんないままになってるけど、ただ銃の引き金を引いたときのあの感触は、嫌ではない。


手入れも終わり、ピカピカになったガバメントをトイレの蛍光灯にかざしてみる。よし、頑張ろう。

最終試験 合格の兆し→←三番星



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
設定タグ:HUNTER×HUNTER , 幻影旅団
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ナツメ | 作成日時:2018年11月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。