検索窓
今日:4 hit、昨日:64 hit、合計:654,659 hit

研磨と記憶 ページ13

部活が終わり、後は帰るだけ。




フリーランニングで帰るか、とアキレス腱を伸ばしていると、「え、走って帰るの・・・?」と、引いた様な声が。


誰だと思って見ると、猫背猫目の孤爪先輩だった。




「まあ、そんな感じですね。じゃあ、私帰るので、」




「お疲れ様です」、そう続けて背を向けるつもりだった。


でもそんな私の動きは、次の先輩の言葉によって止められた。




「和帝さんとおれって、会った事あるっけ・・・?」


「・・・何でですか?」


「見た事あるから」




『見た事ある“気がする”』じゃなかった。


見た事ある、それをハッキリ分かってて訊いてきている。




「私と先輩は、会った事は無いですよ。今日初めて会いました」


「そっか。・・・あ、おれ敬語とか要らないから。先輩って呼ぶのも、苗字で呼ぶのもやめて。研磨で良い。皆そう呼んできてるし」


「え、でも」


「本当に良いから。おれ、そう言う体育会系みたいなの嫌い。おれも3年生には敬語とか先輩とか使ってないし。この部、そう言うのは緩いから」


「・・・分かった。じゃあ研磨も、せめてさん付けはやめて。慣れてないから」




仲良いからとか、そんな軽い理由じゃなく、研磨は本気で敬語とかを嫌がってる。


そう言われちゃ、言うこと聞かないワケにもいかない。




素直に頷いた私に少しだけ笑って、研磨は黒尾先輩のもとへ行った。








研磨が私の事を見た事あるって言うのは、十中八九テレビだろう。


本人はそれに気付いてないみたいだったけど、もし不思議に思って調べられたりしたらマズイ。




出来るだけE組って事はバレたくないんだけどな・・・。




もしもの時は、愛美ちゃんに記憶消す薬発注するか。


作れるのかな?

クロとテレビ→←持てるかと山本先輩



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (129 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
462人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

一般人 - うるさいだけで文句つけに行くのは考えにくいかな。せめて、自分の席の周りで騒がれてたとか、誰かが困ってたから助けたとかならまだしも、うるさいからだけの理由はちょっと無理やりすぎる気がします。あくまで個人的に感じただけなので、あまり気にしないでください。 (2019年3月30日 0時) (レス) id: 363d66e5a4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2018年8月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。