研磨と記憶 ページ13
部活が終わり、後は帰るだけ。
フリーランニングで帰るか、とアキレス腱を伸ばしていると、「え、走って帰るの・・・?」と、引いた様な声が。
誰だと思って見ると、猫背猫目の孤爪先輩だった。
「まあ、そんな感じですね。じゃあ、私帰るので、」
「お疲れ様です」、そう続けて背を向けるつもりだった。
でもそんな私の動きは、次の先輩の言葉によって止められた。
「和帝さんとおれって、会った事あるっけ・・・?」
「・・・何でですか?」
「見た事あるから」
『見た事ある“気がする”』じゃなかった。
見た事ある、それをハッキリ分かってて訊いてきている。
「私と先輩は、会った事は無いですよ。今日初めて会いました」
「そっか。・・・あ、おれ敬語とか要らないから。先輩って呼ぶのも、苗字で呼ぶのもやめて。研磨で良い。皆そう呼んできてるし」
「え、でも」
「本当に良いから。おれ、そう言う体育会系みたいなの嫌い。おれも3年生には敬語とか先輩とか使ってないし。この部、そう言うのは緩いから」
「・・・分かった。じゃあ研磨も、せめてさん付けはやめて。慣れてないから」
仲良いからとか、そんな軽い理由じゃなく、研磨は本気で敬語とかを嫌がってる。
そう言われちゃ、言うこと聞かないワケにもいかない。
素直に頷いた私に少しだけ笑って、研磨は黒尾先輩のもとへ行った。
研磨が私の事を見た事あるって言うのは、十中八九テレビだろう。
本人はそれに気付いてないみたいだったけど、もし不思議に思って調べられたりしたらマズイ。
出来るだけE組って事はバレたくないんだけどな・・・。
もしもの時は、愛美ちゃんに記憶消す薬発注するか。
作れるのかな?
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一般人 - うるさいだけで文句つけに行くのは考えにくいかな。せめて、自分の席の周りで騒がれてたとか、誰かが困ってたから助けたとかならまだしも、うるさいからだけの理由はちょっと無理やりすぎる気がします。あくまで個人的に感じただけなので、あまり気にしないでください。 (2019年3月30日 0時) (レス) id: 363d66e5a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2018年8月20日 23時