君がため

お前らテロなんてやってる暇があるならペロの散歩にでも行ってきな ページ7

「天人との戦において鬼神の如き働きをやってのけ、敵はおろか味方からも恐れられた武神……坂田銀時。我等と共に再び天人と戦おうではないか」




小太郎の口から語られる、今まで１度も話されなかった銀時の過去。




「……銀さん、アンタ攘夷戦争に参加してたんですか」




普段のちゃらんぽらんな様子から想像出来ないのか、驚いたように新八が言った。




「戦が終わると同時に姿を消したがな。お前の考える事は昔からよく分からん」


「俺ァ派手な喧嘩は好きだが、テロだのなんだの陰気くせーのは嫌いなの」




頭を掻きながら、銀時が面倒臭そうに答える。


そこからかなり話が脱線するものの、新八のツッコミで元に戻った。




「俺達の戦はまだ終わってなどいない。貴様の中にとてまだ残っていよう、銀時……国を憂い共に戦った同志(なかま)達の命を奪っていった幕府と天人に対する怨嗟の念が……」




そこで小太郎は言葉を区切り、銀時に刀を差し出した。




「天人を掃討し、この腐った国を立て直す。我等生き残った者が死んでいった奴等にしてやれるのはそれぐらいだろう。我等の次なる攘夷の標的は、ターミナル。天人を召喚するあの忌まわしき塔を破壊し、奴等を江戸から殲滅する。だがアレは世界の要……容易にはおちまい。お前の力がいる、銀時」




小太郎は、銀時を真っ直ぐに見る。




「既に我等に加担したお前に断る道はないぞ。テロリストとして処断されたくなくば、俺と来い。迷う事はなかろう。元々お前の居場所はここだったはずだ」


「銀さん……」




銀時はどうするのだろうかと、新八と神楽が彼の顔を見た時だった。


バッと襖が蹴破られ、ザザザと黒い隊服を着て剣やバズーカを手にした男達が入ってくる。




「御用改めである。神妙にしろ、テロリストども」

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