検索窓
今日:30 hit、昨日:7 hit、合計:217,260 hit

桜庭家 ページ47

ピンポーン


…………


ピンポーン……ピンポンピンポンピンポン




「うるせェェェェ!!……って、Aか」




数週間振りに万事屋を訪れた私がいくらチャイムを鳴らしても、誰も出てこない。


それで連打していると、堪え切れなくなった様に銀ちゃんが怒鳴りながら出てきた。




「まあ、入れ。どうせこの間の続きだろ?今2人共居ねェから」


「うん」




銀ちゃんには私の事なんてお見通しらしい。


私はこの間訊けなかったお姉ちゃんの事についての質問に来たのだ。




客間に通されて、ソファに座る。


丸まって寝ている定春を目で愛でていると、「それで、」と銀ちゃんが口火を切った。




「何が訊きてェんだ?」


「……お姉ちゃんの事」


「ああ……今どうなってるのかか?」


「うん」




銀ちゃんは少し気まずそうな顔をする。


『待ってろ』という自分の言葉、忘れてはないらしい。




「お姉ちゃんがお嫁に来たのって、江戸だよね?いくら広いって言ったって、幕府のお偉いさんが住んでるエリアなんて限られてるんだし……」


「ああ。俺も、ここに落ち着いてからすぐに捜した。したら、見つかった」


「見つけたの!? じゃあ、何で取り戻してないの!」




ソファとソファの間の机にバンと手を付いて、身を乗り出す。




「……桜庭家って、知ってるか?」


「知らない」


「将軍の側近も出すような、由緒正しいデカい家だよ。四葉が嫁いだ先ってのが、そこだ」


「で?」


「ここからは噂なんだがな。その桜庭家っての、相当悪い事やってるみてェでよォ。天人ともかなりのコネがあるんだと。下手に手を出しゃあ、最悪四葉の実家や村まで被害を受ける。手を出したくても出せねェ状況だ」




ふーん……。




「チキってんだ?」


「あ?」


「1番辛いの、お姉ちゃんでしょ。さっさと救ってあげないと。何なら私がやる?」


「それはやめろ」




ふざけ半分でそう言ってみれば、ガチめなトーンで止められる。




「Aは、あの家に関わんな。嫌な予感がする」


「嫌な予感?」


「ああ。これも噂なんだけどな、もし本当だったら……」




へぇ。まあ、それなら。




「じゃあ、銀ちゃん。『待ってろ』って、ちゃんと果たしなよ」


「おう」




お姉ちゃん……元気かなぁ。

次ページ→←護るもの



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
145人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 真選組 , 原作沿い
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆず - 亜水さん» 総悟のSが初めて発揮された回。私結構お気に入りです。 (2019年7月16日 20時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 本当だぁ!更新するの早いですね!凄い!あのカエルアニメで観たときマジで苛ついた!総悟あのまま首はねちゃえばいいのにって正直思いました。でもまあ最終的には焼かれてたんで良かったです♪ (2019年7月16日 20時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 亜水さん» ありがとうございます!このシリーズを更新するのは私自身楽しいので、ドンドンしていけたらと思います。 (2019年7月15日 22時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 桂優しいな〜再開場面、感動しました! (2019年7月15日 11時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - めっちゃ面白いです!読みやすかったです!更新頑張って下さいね次も観させていただきますので、よろしくお願いいたします! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年7月10日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。