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橋の上 ページ40

江戸の、とある橋の上。


顔を隠すように笠を被り座っている長髪の男が、ふと声を発した。




「誰だ?」


「……ククク、ヅラぁ。相変わらず幕吏から逃げまわってるよーだな」




彼の問いに答えたのは、同じように笠を被り派手な柄の着物を身に纏った男。


その腰には刀と酒の入った瓢箪がぶら下がっている。




「ヅラじゃない、桂だ。なんで貴様がここにいる?幕府の追跡を逃れて京に身をひそめているときいたが」


「祭りがあるってきいてよォ。いてもたってもいられなくなって来ちまったよ」




煙管を口に咥えながら、男は答えた。


左目には包帯が巻かれている。




「祭り好きも大概にするがいい。貴様は俺以上に幕府から嫌われているんだ。死ぬぞ」


「よもや、天下の将軍様が参られる祭りに参加しないわけにはいくまい」


「! お前、何故それを? まさか……」


「クク。てめーの考えているようなだいそれたことをするつもりはねーよ。だがしかし、面白ェだろーな。祭りの最中、将軍の首が飛ぶようなことがあったら。幕府も世の中もひっくり返るぜ」




男は、そう言って嗤った。




「……そういや、ヅラ。てめェもうアイツ(・・・)には会ったのか?」


「ヅラじゃない、桂だ。……ああ。元気そうだったぞ」


「月猫、だっけか。強くなったらしいしなァ。……いつ、迎えに行こうか」




最後の方は、本当に微かな呟きだった。


相手の耳には届かず、空へと消える。




昔馴染みと別れて歩き出した男の右目には、滅多に見られない優し気な光があった。




「いつ、会えるだろうなァ」

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ゆず - 亜水さん» 総悟のSが初めて発揮された回。私結構お気に入りです。 (2019年7月16日 20時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 本当だぁ!更新するの早いですね!凄い!あのカエルアニメで観たときマジで苛ついた!総悟あのまま首はねちゃえばいいのにって正直思いました。でもまあ最終的には焼かれてたんで良かったです♪ (2019年7月16日 20時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 亜水さん» ありがとうございます!このシリーズを更新するのは私自身楽しいので、ドンドンしていけたらと思います。 (2019年7月15日 22時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 桂優しいな〜再開場面、感動しました! (2019年7月15日 11時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - めっちゃ面白いです!読みやすかったです!更新頑張って下さいね次も観させていただきますので、よろしくお願いいたします! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年7月10日 22時

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