3つの約束 ページ28
無言のまま、銀時は松陽に歩み寄る。
心なしか、剣を握る手に力を込めて。
銀時の脳裏を過るのは、師と、ろくでなし2人と、妹の、かつての言葉だった。
『______銀時。あとのことは頼みましたよ。仲間を、妹を、みんなを。護ってあげてくださいね』
連れ去られて行く時、そう託された。
必ず戻ってくるから、それまで、と。
『______銀時。もし俺がおっ死んだら、先生を、頼む』
『じゃあ俺も、ろくでなしに頼む。……死ぬな』
何百という敵にたった2人で囲まれて、互いの背中を護りながらそんな会話をした。
自分と同じろくでなしにしか頼めない、と。
『だけど1つ、約束して。……生き延びて』
星が瞬く空の下、妹に、強い瞳でそう言われた。
泣きもせず、怒りもせず、真っ直ぐと。
どれも大切な約束で、全部果たしたかった。
誰1人死なせたくなかった、みんなを護りたかった。
……けれど。
松陽のすぐ後ろで立ち止まり、剣を強く握りしめる。
「銀時。やっ……やめろ。頼む」
これから起こる事が分かっているのだろう。
後ろから悲痛な声が聞こえたが、銀時はそれに反応をしない。
松陽はゆっくりと振り返って、少し微笑む。
「ありがとう」
それが、その人の最期の言葉だった。
「やめてくれ」という晋助の叫びも虚しく、銀時は師の首を刎ねた。
145人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず - 亜水さん» 総悟のSが初めて発揮された回。私結構お気に入りです。 (2019年7月16日 20時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 本当だぁ!更新するの早いですね!凄い!あのカエルアニメで観たときマジで苛ついた!総悟あのまま首はねちゃえばいいのにって正直思いました。でもまあ最終的には焼かれてたんで良かったです♪ (2019年7月16日 20時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 亜水さん» ありがとうございます!このシリーズを更新するのは私自身楽しいので、ドンドンしていけたらと思います。 (2019年7月15日 22時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 桂優しいな〜再開場面、感動しました! (2019年7月15日 11時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - めっちゃ面白いです!読みやすかったです!更新頑張って下さいね次も観させていただきますので、よろしくお願いいたします! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年7月10日 22時