君がため

ジジイになってもあだ名で呼び合える友達を作れ ページ3

「とうとう尻尾出しやがった」




そう呟く男の視線の先には、４人の『テロリスト』。




「山崎、何としても奴らの拠点おさえてこい。あ、あとAにも連絡しとけ」


「はいよっ」




紫煙を吐き出しながら、頭を下げて出て行った部下を見送る。


その手には、１枚の指名手配書があった。




「天人との戦で活躍したかつての英雄も、天人様様の今の世の中じゃただの反乱分子か」




その指名手配書に書かれた人物、桂小太郎。


先程の４人の内の１人が、彼だった。




「このご時世に天人追い払おうなんざ、たいした夢想家だよ。オイ、沖田起きろ」




クシャっと丸めたそれを、座布団を枕に気持ち良さそうに眠る部下に投げる。




「お前よくあの爆音の中寝てられるな」


「爆音って……またテロ防げなかったんですかィ？ 何やってんだィ土方さん、真面目に働けよ」


「もう１回眠るかコラ」




さっきまで自分は仕事中に寝ていたクセに、平気でそう言う亜麻色の髪の青年。


彼を睨んでから、言葉を続ける。




「天人の館がいくらフッ飛ぼうがしったこっちゃねェよ。連中泳がして雁首揃ったところをまとめて叩き斬ってやる」




刀を抜いて、言った。




「真選組の晴れ舞台だぜ。楽しい喧嘩になりそうだ」

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