瞳の中の王子様【天祥院英智】 (ページ3)

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君と過ごした時間は短かった。

君は君のお兄さんが退院するまでの1ヶ月間だけ、週に何回かお見舞いに来ては僕の相手をしてくれた。

君は僕に学校の話をしてくれたり、一緒にトランプをしたりした。

君はゲームは弱かったけどいつも楽しそうだったね。

でもお互い幼かったこともあって、連絡先を知ることも無くお兄さんの退院を機に君とは会えなくなった。

そして、そのまま月日は流れた。

僕は夢ノ咲学院に入学し、''皇帝''となった。

その後高校生活も3年目になった時、新たな革命を起こすためグループが立ち上げられた。

そして僕達は、そのグループに負けた。

少し前に勝敗が決まったばかりだと言うのに、何故かすんなりとその結果を受け止めることができた。

心の中のもう一人の自分が、これも運命だと言っているようだ。

ライブ終わりの握手会では、ファンの子達が思い思いの言葉を向けてくれていた。

でも、なぜか今僕に向けられている言葉に耳を傾けることが出来なかった。

しかしそれでも笑顔を崩すことなく握手会を続けた。