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と、その時。
後ろから近づいてくるバイクの音。
しかもかなりの人数だ。
その音と光に後ろを振り返れば、特服を着て勢揃いしている
東京卍會、みんなの姿。
頬が緩むのを感じる。
バイクを止めたみんながこちらへ歩いてくる。
ムーチョを先頭に、スマイリー、圭介、その後ろに副隊長。
勿論、千冬の姿も見える。
「東京卍會、勢揃いだバカ野郎!」
「どいつから死にてぇ?」
「ぺー!テメェはまず殺す!」
みんな殺る気だ。
こんな心強いことない。
楽しくなってきた!
ドラケンがマイキーの隣まで歩いて来て言う。
「祭りの日に大乱闘、血が踊るじゃねぇかよ。
なぁ、マイキー。」
「ハハッ、そうだな、ケンチン。」
『いや、ドラケンは休んでなよ。その踊ってる血が出てるよ?』
口を挟んだのがいけなかったのか
マイキーはわたしに向かってこう言った。
「Aは今回は下がってて。」
『……え、何でわたし!?』
ドラケンじゃなくて?
「A、浴衣破ろうとしてるでしょ?」
バレてる。
『いいよ、既に泥だらけでもう手遅れだし。』
「それ似合ってるからだーめ!」
『えー…』
みんなと大乱闘したかったのに。
マイキーの蹴りがいっぱい見られると思ったのに。
納得のいかないわたしにドラケンが言う。
「A、エマ頼む。」
…そうだった。
東卍のみんなで見えないけど、後ろにはエマがいる。
それにここにたけみっちがいるって事は、
もしかしたら近くにヒナちゃんもいるかもしれない。
とりあえず、ふたりを安全な所まで連れていかないと駄目だ。
『…分かったよ。』
わたしの言葉に頷いたマイキーは前を見据え、
そして走り出す。
「行くぞオラァァァァ!」
みんなもマイキーの後をついていく。
わたしはその場でマイキーの、
みんなの背中を見送った。
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作者名:Tmwixx | 作成日時:2022年10月10日 9時