156._円と円 ページ10
階段で息を整える。……これは、苦しいな。それもそうか今まで嫌われまいと行動してきたのだから。
私はクラピカにはつけない。それだったら"裏切った""敵"そう思われたほうがいい。その方が…クラピカは安心して私に鎖を向けられるだろう。
クラピカにはノストラードを護るという職務がある。放棄してこちらを追ってくることは考えづらい。
見つかりたくない相手には見つかってしまったので私は円を広げて階段を降りる。その間にも外からの轟音が響いていた。街から煙が立ち上っているのが見える。…ウボォーギンでも暴れているのだろうか、とふと思った。
地下に降りるところで円を止める。…戦闘の音。オークション会場からだった。
『！』
＿ドン と凄まじい音と共に暴風が襲ってくる。舞い上がった土煙のせいで眼を細める。＿まさか。この威力。明らかに大技をうった。
風が弱まり会場に駆け込む。
『！…シルバ、さん』
駆け込んで直ぐに見つけたのはシルバさん。シルバさんは丁度無線機をしまうところだった。…ゾルディック家専用無線機。それを使うのは任務が完了したときだと以前イルミが教えてくれた。
「…Aか。やはり来てたのか」
『…クロロは』
「やつならここだ」
奥にゼノさんが立っていた。…そしてその奥に瓦礫の中でクロロが座っていた。見た目はぼろぼろだが…生きている。よかった…クロロの死に場所はここではない。
『クロロ…よかった』
「やっぱりあの円はAじゃったか」
『ええ、まぁ』
触れた円はゼノさんのオーラだった。…修行で何度も知っている。間違える訳がない。
十老頭の依頼した殺し屋はゾルディック家だった訳だ。こういう想像はことごとく当たるものだ。幻影旅団クラスなのだから順当ともいえる。旅団とはいえゾルディック相手じゃ厳しいだろう。それも…シルバさんとゼノさん相手にクロロ1人とは。
『………』
寄ろうとして一瞬迷う。…旅団と私の関係をゾルディックには言っていない。そして今日聞いたキルアの言葉。…以前旅団とゾルディック家は一戦交えている。
「そう悩まんでもお主とこやつの関係はおおよそ知っとる」
『…はは。まぁそうですよね』
ここに来た理由を聞かれなかった時点で察していた。…そもそもこの長い間でバレないことのが少ない。……正直、クラピカのこともゾルディック家は知っているだろう。クラピカがクルタ族かはどうかにしても、私がクラピカという少年と暮らしていたというのは知られている。
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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (
レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！ (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、！ (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです！！！！応援してます！！先の展開が楽しみで仕方ありません！！ (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JRPG
| 作成日時：2021年6月12日 19時
