194._騙した ページ48
「………なるほど、ライセンスは盲点だったな」
私はさも驚いたように反応する。
「……それで？」
「ああ、いや。彼女のライセンスは俺が担保として預かったんだ」
「担保？」
私の言葉にキルアは訝しげな顔をする。
「君の想定どおり俺はAに雇われてここに来た。君たちを敵意から守るためにね」
私がキルアを見るとキルアは足を止めて俯いていた。不思議に思って近づこうとすると顔が上がる。
「……Aならそうするだろうな」
「？」
私は首を傾げる。意図が汲めなかった。
「ああ。試験で君たちと交流があったことをどこから聞いたのかいきなり頼んできたんだよ。でも知らない相手から知り合いの監視紛いなこと頼まれたって受けられないだろ。だからライセンスを人質にしたんだ」
私をじっと見るキルアに今度は苦笑いする。
「えっと…騙したのは悪かったけど、前金貰ってたしバレないほうがよかったから」
「じゃあなんで自分のライセンスを出さなかったんだ」
キルアは何事もないように歩きだす。問い詰めるわけにもいかないので横に並んだ。
「キルアが番号を暗記してたことなんて知らなかったのが理由だけど。実のところ俺はハンターじゃないからな」
「…は？」
「ふふ、やっと驚いたな」
キルアは目を丸くする。私は少し笑ってから表情を戻す。
「アマチュアハンターみたいなものだね。プロハンターと同じ仕事はしてるけど試験は受けてないんだ。キルアもそういう意味ではアマチュアハンターかな」
資格を持ってるゴンと行動してるのだから旗から見ればそうなる。そもそもキルアにはハンター並の実力がある。…再試験は受けるのだろうか。次受けるならイルミを足止めしないとな。
「だから、安心していいよ。旅団一人くらいだったらなんとかする。全員でこられたら君をつれて彼女の元に逃げるさ」
「………Aからの依頼はオレたちを守るってだけなのか？」
改めて確認してくるキルアに少し考えて頷く。
「ああ。ゴンとキルアを守ってくれって」
「…………わかった」
「キルア？」
難しい顔のまま歩くキルアに疑問を覚える。私が足を止めてもキルアは止まらない。
「もうそろつくぜ。足音消せよ」
振り返ったキルアはさっきの話なんてなにも無かったようにあっさりとしていた。
「…ああ」
私はとりあえず頷いて後を追う。キルアの考えは読めなかった。
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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (
レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！ (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、！ (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです！！！！応援してます！！先の展開が楽しみで仕方ありません！！ (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JRPG
| 作成日時：2021年6月12日 19時
