ママにあいたい。【文豪ストレイドッグス】【ママにあいたい。】

＊二十二 ページ22

「あっははは！お前どこに隠れようとしてんだよ！！」



男の子は僕に指をさして爆笑した。



「面白すぎだろ！あっはははは！ひひっ！あはは！」



｢そ、そこまで笑わなくても……｣



「だって！お前……！っはは！」



「うぅ……」



そろそろ恥ずかしくなるからやめて。



｢あっは！すまん、面白くてよ！！｣



男の子は笑いすぎて出てきた涙を指で拭った。



「笑いすぎだよ……っていうより、ちゃんと遊んだんだから正体教えて！！」



「……一寸、説明しといてって云ったじゃあないか！きもいのもいい加減にしてよー」



背の高い男の人が、男の子に怒鳴った。



「手前が困ると思ってよォ」



「きもぉ……」



男の子はニヤリと笑ってみせた。



この二人、仲が悪いのかな？



「あっは！まァ約束は約束だし、教えたるよ」



すると二人は僕の方に向き直った。二人の赤い目がなんだかぎらぎらしているような気がして、僕は思わず少したじろぐ。



二人は少し間を置いてから言葉を紡いだ。



「あっは！実は俺らはお前らの兄ちゃんなんだぜ！」



「私達はカンシに身体を取られて魂だけになった存在。今ここで見えているのは、身体を失った意思のある魂でしかないんだ」



お兄ちゃん……か。



「こっちが下？」



「ぶっ……！」



僕が背が低いお兄ちゃんの方を指差すと、背が高い方のお兄ちゃんが吹き出した。



「違ェよ！俺が上だ！！」



「っはははは！！！」



背が低いお兄ちゃんは必死で否定し、その横で背が高いお兄ちゃんは爆笑した。

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