１９回目 ページ19
「歩けそうか？」
「は、はい…」
持っていた鞄をひょいっと軽々しく持ち上げられる
あまりにもしんどかったら言ってな。と私に手を差し伸べてくれた
その絵面は完全なる少女漫画のイケメン男子そのもの
神々しさのあまり、ﾋｭ…と喉に空気を吸い込んだ
「すみません、ご迷惑をおかけしてしまい…」
「いーって。芽衣の大事な友達なんだから」
恐る恐る彼の手を取ると、満足そうに微笑んだ
彼の手の体温は火傷してしまいそうなぐらい熱い
自分の指先がどれほど冷たかったのかよく分かった
でも、彼はそんなこと気にする素振りも見せずふらつく私を支えるようにゆっくりと歩いてくれた
「親御さん、不在なんだっけ」
無言で頷くと、真緒さんは何か考えるような素振りを見せて提案する
「あのさ、嫌なら全然良いんだけど…」
その顔は、数週間前の事を思い出させる
名前呼びにしても良いかと聞かれた時だ
この前置きをする真緒さんは、確実に、絶対に、心臓に悪い事を言い出す証拠なのだと気付き彼の言葉を待った
「…俺の家に来るか？」
ほら見てみろ、心臓に悪い
本日二度目、ﾋｭｯ…と息を吸った
「いや…ただ体調悪いのに家に一人って心配でさ…」
脳はとっくに考えることを放棄していた
あまりの驚きに一瞬だけ頭痛が遠のいたが直ぐに帰ってくる
なんか目眩がしてきた
グラつく頭と重たい体が一刻も早く休みたいと嘆いている
そんな時に心配してもらえるのは不謹慎だが嬉しいものだ
彼の手をギュッと握る
「お邪魔して、良いですか…」
今にも死にそうな痛みのするお腹を擦りながらそう答えた
少し意外そうに驚く真緒さんの反応に疑問を思いながらまたゆっくりと歩いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩音(プロフ) - ひ〜〜めちゃくちゃどきどききゅんきゅんしました･･･。(語彙力なくてすみません) (2022年7月26日 14時) (
レス) @page49 id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)
ことは - 真緒くん！梶さん！尊い！ (2021年4月15日 18時) (レス) id: 1efa312b7c (このIDを非表示/違反報告)
めご(プロフ) - 空白猫さん» ありがとうございます(;_;)是非推してください〜！！評価もありがとうございます！！ (2021年4月9日 23時) (レス) id: fec7c0a77e (このIDを非表示/違反報告)
空白猫 - 前半…「早くくっついて？」後半…「待ってこのカップル推せるわ」ってなりました…評価たくさん押しますね…神作だと思ったのでッ！！ (2021年4月8日 11時) (レス) id: 10484fbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
愛葉 - 半分本気です…(笑) (2021年2月28日 20時) (レス) id: bb433bc26e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めご | 作成日時：2021年1月2日 21時
