男装少女は音駒の１年セッターで、あの人の双子です！

７話 ページ8

黒尾side


本当に女なんだな、と思った。


白い肌に華奢な体、触ったら折れるんじゃないかって心配になる。


よくよく見れば、コイツかわいいな。目、デカくて黒目グリグリしてるし。まつげながっ。

人形みてー………。



『なんですか、じろじろ見て。

気持ち悪いですよ』


黒尾「いや、お前、背ェひく、イッタ！先輩を蹴るな！」


気持ち悪いはないだろ………。


何気に蹴られた所痛いし………。


本当に女かよ………。


『僕、トイレで着替えて来ます』

黒尾「へいへい」







背、本当にちっちゃいよな。

アイツ、160センチ絶対ないだろ。



駆けていく背中を見つめ、俺は本当にちっさい、と呟いた。




孤爪「A、連絡先交換しよ」

『いいんですか!?お願いします！』

孤爪「Aうるさい」

『すみません………』

研磨には素直だな、アイツ。



というか、研磨から話しかけるなんて少し意外だ。


ひとみしり激しいからな。



海「人気だね、立川」

黒尾「そーだな。何気に上手いし」

海「うちの部内で１番の上手さじゃないか？」

黒尾「レシーブは俺と同じくらいだろ。

サーブは頭ひとつ抜けてるけどな。

他は………ダメじゃね？」

海「まぁ、身長の関係でブロックは不利だな。

トスは………実際に打ってみなきゃ分かんねーな」


いつもの帰り道を歩きながら、海と話す。



黒尾「夜久、嬉しそうだな」

海「ホントだ。立川背、低いもんな」

黒尾「身長差はそこまでないけど」


クスクスと声を抑えてふたりで笑う。


海「にしても、本当に女なのかな」

黒尾「立川？女だろ」

海「なんでそんなに自信満々に言えるんだよ」

苦笑いをしながら、海が尋ねてくる。



黒尾「仕草とか、見た目とか、よくよく見たら女だぜ？」

海「なにお前。

まさか、立川の事好きになった？」

黒尾「んなわけねーだろ!?」

海「だって、よくよく見てるんだろ？」

黒尾「バッ！それは！

例えというか、言葉のあやというか………」







『なんの話してるんですか？』



海「立川」

黒尾「なんでいるんだよお前」


いつの間にか、俺の隣を並んで歩いていたA。


『衛輔先輩、さっきの角で曲がっちゃったんで、話す相手がいなくなったんです』

海「そっか。

じゃあ、こっちおいで。

そっちは道路側で危ないから」

『ありがとうございます、海先輩！』


男前だな、海も。


『なんですか、黒尾さん』

黒尾「別になんもないけど？」

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