男装少女は音駒の１年セッターで、あの人の双子です！

４４話 ページ46

とうとう明日は文化祭だ。



実行委員の仕事は見回りくらい。


でも、その分、今日は忙しい。


僕は木陰を見つけ、座る。


一休みだ。





ウチのクラスは男女逆転喫茶をやる。




なんでも、男がメイド服着て、女がタキシードを着るとか。




メイド服て………………。



ひらっひらのスカート着るんだろ？



心底やりたくねぇ。



接客、男女５人ずつ、の中に選ばれてしまったいつかの僕をうらみたい。



文化祭のパンフレットを開いて、３年の出し物欄を見る。





黒尾さんと衛輔さんのクラスは………



『射的………』


いや、射的て。



最後の文化祭に射的て。



他になかったのかよ。




次、海さんのクラスは………



『映画………』



そういえば、撮ってたな、なんか。



『海さん、お坊さん役なのか!?


つーかお坊さんが出てくる映画ってどんな映画だよ!!』



次、2年は………



虎さんのクラスが


『焼きそば屋………。


地味じゃね………？』



研磨先輩のクラスは………


『お化け屋敷………。


うん、無難だな』


招さんのクラスは………


『スタンプラリー？


面白そうだな………』



走のクラスはスイーツ喫茶。


おしゃれだな。




優生は、唐揚げ屋。


うん、無難だな。






『………誰と回ろうかな』



走と優生に一緒に回れるか聞いてみよ。




？「じゃあ、俺と回らない？」


『へ？


あっ、松下先輩でしたか………』



松下先輩は僕の隣に腰を下ろし、パンフレットを覗き込んだ。



松下「Aちゃんのクラスは男女逆転喫茶なんだね。


必ず行くよ」



『いや、来なくていいですから！


恥ずかしいです！』



松下「えー、Aちゃん女の子なんだし恥ずかしくないでしょ」



『恥ずかしいです！



それと、そのAちゃんって呼び方やめていただけます？』


松下「えー！


だったらなんて呼べばいいの？」


『Aとか、A君って呼んでくださいよ』



松下「りょーかい。


じゃ、Aね。





………で、本題だけど、文化祭一緒に回らない？」



『別にいいですよ。



僕も回る相手いなくて困ってましたから』



松下「俺、午後からはほぼフリーだけど、Aは？」


『僕も午後からはなんもないです』


松下「じゃ、俺、Aのクラス行くから待ってて」


『はーい』

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