恋 彼らの片思い

まつにぃの場合　4 ページ19

あのお馴染みの間抜けな音楽が流れて
風呂が沸いたと知らせてる。

｢おい、入っちまえよ｣
まだ真っ赤なマルに声かける。

｢えー。まつにぃからどぉぞ｣
｢いいよ、オマエ寝ちゃいそうじゃん｣
｢んじゃ、いっしょにはいる？｣

・・・。
ナニイッテンダコイツ。

｢やって、しんちゃんとはいつもいっしょですよ？｣
｢えっ？オマエら、プライベートでも一緒に風呂入んの？｣
｢ふつうちゃいますのん？｣
｢んで、なんにもねぇの？｣
｢なにがですかぁ？｣

惚けてるわけじゃねぇよな。
コイツら、フツーに同居してフツーに一緒に風呂入ってたんだ。

ある意味すげぇな。

｢まぁ、いいから入ってきちまえ｣
｢はぁい｣

フラフラ歩くマルについてって
物の置き場教えてやる。
タオル出してやったらポフって顔埋めて

｢ええにおいがするぅ｣

クンクン匂い嗅いでる。

｢まつにぃのにおいやぁ｣

ちらっとこっち見てホワンと笑った。

・・・なぁ。誰か教えて。
これ、ワザと？天然なわけ？
まだ理性が勝ってる。勝ってる。勝って・・・。

ヤバイ。もう限界。

｢逆上せる前に出てこいよ｣
｢はぁぁい｣
｢寝たら溺れるからな｣
｢はぁぁぁい｣

今、俺、絶対ニヤけてる。
顔見られないように後ろ向いて脱衣所のドア閉めた。

ふぅ。
あぶねぇ・・・。
もう本格的に危険なんだけど。
ムラカミ、よくあの天然爆弾に耐えていられんなぁ。

さっき着替えた部屋着のスウェットパンツのなかで
俺のが主張してやがる。

耐えろ、耐えるんだ。俺。
必死で堪えてんのに
風呂場からは呑気な鼻歌。

あぁ。俺、自分から沼にはまったんだ。

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