壱：七不思議の花子ちゃん

：六怪異 ページ7

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深夜零時。






旧校舎三階の女子トイレの三番目。







私はここで数十年前からの同居人がいる。




花「Aー……」





此奴だ。





花子くんこと普。







私に色々してくる様な変態な怪異だ。





今は後ろから抱きついてきている。






トイレの上に普が座りその上に




強制的に座らされて居るのが現状。






蕐「ちょっとっ離れてよ……」





こんな事二人きりになれば毎度の事。




だから慣れてるといえば慣れている。





けど毎晩毎晩抱きつかれる




こっちの身にもなれっての。





心臓がいくつあっても足りないんだから。






花「だって前二人きりの時はいいって言ったじゃーん」




背中にぐりぐりと頭をつけてくる。




蕐「それはっ……そうだけどさ」








花「え、なにー、今頃恥ずかしいとか？」





くすくすと背後で笑う彼。


ニヤッとしてるのが想像ができる。





花「無言は肯定だよー、恥ずかしいんだ？咲良可愛いよ？」





蕐「五月蝿い……」





花「よーしっ、いいムードだし……しちゃおっか……？」







すると私を降ろし、


今度は私をトイレの上に座らせて。




私の顔の横に手を付いて


寄りかかってくる普。






トイレに備え付けられた窓から



差し込んでくる微かな月光。





それに照らされた普の顔は


少しばかり赤かった。





花「……ごめん、もう、無理だ……」




蕐「……？」






花「咲良のハジメテ、頂戴？」







と言い近付いてくる花子くん。





手も心做しか胸の辺りに伸びてくる。




蕐「……っ」





私は反射的に目を瞑る。







花「大丈夫、すぐヨくしてあげるからさ……」



嗚呼、これから私は


ハジメテを花子くんにあげるのか。






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