夏祭り6 ページ48
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ニコニコの大門さんと、声は明るいものの眉根がよっている光原先輩。大門さんは私に嘘をついていたんだろうか。
大門「1ヶ月ぶりかなぁ!その件についてはぜひ、よろしく伝えてくれ!元気そうでよかった!」
1ヶ月ぶり?去年ぶりじゃないの!?それに伝えて、って…誰に?
紘基「…えぇ、わかりました。それでは…」
大門「どうして表の仕事じゃないのぉ?もったいないよぉ」
紘基「…大門さん、僕は…」
大門「去年を思い出してよぉ!かなり盛り上がったじゃないかぁ!」
何度も光原先輩の言葉を遮る大門さんに、私も眉根がよる。
大門「司会者としては、この会場を盛り上げることが第一だからねぇ。去年は…まぁ、多少強引だったのは認めるよぉ。でも…」
『大門さん、そろそろ出番では?』
大門さんの言葉を無理やり切って、光原先輩との間に入る。
『(感謝を伝えたいなんて嘘だ。光原先輩を利用しようとしてる)』
ステージ側からは、Ryuさんが既にいないのかアンコール!との声が上がっている。どちらにしても大門さんはもう、ステージに出ていかなくてはならない。
大門「…。光原くん。君が今ではない、と考えていても君以外はそう考えていない。わかっているだろう?」
紘基「…」
『光原先輩…?』
なんなんだろう…。去年、何があったの?光原先輩って…一体、なに?
大門「みなさーん!残念ながらスケジュールの都合上、アンコールには答えられないんだぁ…。でも…」
『(あ、もう大門さんステージに…)光原せんぱ…』
大門「この大学にいる、この県の人なら誰でもわかるビッグスターを知ってるよねぇ?去年も大いにこの夏祭りを盛り上げたぁ!!」
大門さんの言葉に振り返る。この大学?ビッグスター?…去年?
紘基「!!嘘だろ…!」
大門「すぐそこに!あの!!光原紘基くんがいまぁす!!!」
『え…?』
ステージ前に居た、先ほどまでRyuさんへ釘付けになっていた多くの目が、大門さんが指さしたこちらへとグン!と向く。
『な、なに…』
「キャー!!ほんものだぁ!!」「カメラ!カメラ!」「光原紘基!やば、今日来てたんだ!」
誰から騒ぎ始めたかわからない。でも、どんどん光原先輩を囲む声・目が多くなっていくこの状況に…体は勝手に固まっていた。
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みびみやこ(プロフ) - チックタックさん» コメントありがとうございます!書きたいことが多すぎて中々発展しなくて申し訳ないのですが、そう言ってくださると嬉しいです!こだわっていきたいと思います!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月23日 18時) (レス) @page42 id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
チックタック - 話の内容がすごく作りこまれている! (2021年9月23日 14時) (レス) @page43 id: b901e895c9 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 面白い!?!?ありがとうございます!少しずつではありますが進めていきます!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月17日 20時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - すごくおもしろいです!無理のない範囲で更新頑張ってください (2021年9月17日 20時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - にら。さん» 返信遅くなり申し訳ございません。好きというコメントありがとうございます!これから定期的に更新していければと思いますので、読んで下さると嬉しいです!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月14日 18時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みびみやこ | 作成日時:2020年9月18日 23時