伝説の始末屋

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『ま、さっさと合格してゆっくり休もうよ』



「まあそーだな」



スケボーで遊ぶのをやめて隣で寝転がったキルアを横目にカバンからタオルを数枚取った



『よし、じゃあ私体拭いてくるね』



「川に服のまま浸かればいいじゃん」



『普通の人はびしょ濡れ状態で寝れるほどサバイバル慣れしてないんよ』


何でもかんでもゾルディック家基準にすんのやめてほしいわ


「んじゃオレ外にいるから終わったら呼んで」



『あ、私出てくから大丈夫だよ』



「馬鹿なの？ここじゃなかったら逆にどこで服脱ぐつもりなんだよ！」



『…そこら辺の茂みとか…？』



「オレが出てくから早く拭け！」



『う、うっす』
…


キルアside



冷静を装いAの作った拠点から離れた適当なところに座ったけど内心は全然冷静じゃなかった



「！(ダメだダメだ！変なこと考えんな…！)」



できるだけ違うことを考えて気を紛らわそうとするもどうしても脳内にAのやわらかい肌を思い浮かべてしまう



「………はあ…」



……あいつ、オレ相手に恥ずかしがるのかな




……イルミ(兄貴)だったら意識してんのかな



いつからかオレよりもAと年齢が近くてオレよりも一緒に遊んだアイツにいつも劣等感を抱いてた



なんでもっと早く生まれなかったんだろう



「っあーーもう！」



湧き上がってくる嫌な感情を消すように川に突っ込んだ



「(…そういえばアイツクラピカってやつとも仲良さそうに話しやがって……！！)」


クラピカも絶対Aのこと意識してるし！！



『キルア、ごめんね、もういいよ〜』



拠点から顔を少しだけ出していつもは縛っている髪を下ろしているAにまた心臓が締め付けられる



「おー、今行く」



…Aは絶対オレの物にする




そんな執着に包まれたドス黒い愛情を抱いていることをまだキルアは自覚していない

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