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「おい、お前」
ふいに背後から声が聞こえた。
驚いてすぐさま後ろに振り向くと、柔道着を着込んだ無精髭の男が一人そこに佇んでいる。
「それ、早く止めねぇと知らんぞ。」
男はAを指差していった。この白いモヤのことだろう。
しかしそんなことを言われても、どうやって出したのか分からないし止め方も知らない。
そう伝えようとしてAは口を開こうとしたが、その気力さえないことに気づいた。
口がパクパクと動くだけ。
腹に力を入れるのがつらいのだ。
「聞こえてんのか?」
男は自分の言葉に大反応を示さないAに焦れたのか、すこし怒鳴るように声を上げた。
しかしAは今それどころではない。
体が鉛のように重くなり意識がぐるぐると回りはじめていた。
男の姿もボヤけて見えてくる。
声は耳に届いているのだが、それを処理することが出来ないのだ。
苦しい。
あの病室に戻ってもいいからこの苦しさから逃げ出したいと思った。
男は一歩ずつAに近づいてきた。
「もしかして止め方が分からんのか?」
Aの隣に座り込んだ男は彼女の背中を擦りながら先ほどよりも優しく問いかけた。
Aは頷く。
「そうか。分かった。じゃあ…」
瞬間、ドンッと首筋に衝撃が走った。
この男、Aに手刀を手加減なしで入れたのだ。
「、な、…」
「ちょっとばかし寝てな。」
男のその言葉を最後にAは意識を手放した。
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ぽへみあん(プロフ) - ミヤナさん» ありがとうございます!私も久石さん大好きです(≧∇≦*)更新遅くて申し訳ないのですが、これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月25日 21時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤナ(プロフ) - とっても素敵な作品ですね!私はクラシックはあまり詳しくないのですが、久石譲さんの曲は好きです!とっても素敵ですよね。応援しています! (2019年9月24日 23時) (レス) id: 7d8442c23e (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 林 香織?さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです♪。私の大好きな曲ばかりなので聞いていただけて幸いです。ぜひクラシックに興味を持っていただけたらなと笑!更新頑張って参ります…これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月17日 14時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - ぽへみあんさん» 初めまして!団長の不器用さと主ちゃんの優しさに虜になりました!出てくるURLを聴きながら小説を読みこんな曲か…と読んでおりました(笑)作者さんのペースで更新頑張ってください! (2019年9月11日 23時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 死体さん» ありがとうございます!そんなそんな…(--;) 私なんてまだまだですが、そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年8月20日 10時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽへみあん | 作成日時:2019年7月21日 0時