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「…いい天気だな。」
思わず呟いてしまうほど、カラッとした日差しが街を包んでいた。
クロロはこの街が気に入っている。
表通りには石畳が敷かれ、それを挟むように店が立ち並ぶ。
活気のいい街だ。
人当たりのいい住人が多いし。
こういう街は犯罪率が低いため、盗みがしやすい傾向にある。
ようするに能天気な連中ばかりなのだ。
「さて、どこに向かおうか。」
クロロは太陽の光が降り注ぐ大通りを歩く。
途中、八百屋からリンゴを2つくすねてやった。
道行く人間は誰も気づかない。
真っ赤に熟れたリンゴを齧りながら、クロロは通りをぶらつく。
何か面白いものはないだろうか。
クロロは物色するように通りですれ違う人間を注意深く観察した。
「いそげいそげ!!」
そんなクロロの脇を4人の子供たちがバタバタと駆け抜けていった。
彼らは何やら嬉しそうに仲間と喋りながら公園へと入っていく。
「早くしないともう始まっちゃってるかも!」
「大丈夫だって!さっき見たばっかりなんだもん。」
何を急いでいるのか。
クロロはふと気になって彼らの後をつけてみた。
彼らは公園に入ると、サッカーコートほどの広場へと向かった。
周りには何本かの木が植えてある。
その中の一際太い木の影に他にも数名の子供たちが集まっていた。
「君たちも来てくれたの?」
彼らの中心には、女性らしき人物が一人。
白いTシャツにパーカーを羽織り、下はジーンズといった軽装の彼女は自分の近くに群がる子供たちの頭を順に撫でていった。
「だっておねーちゃん、木曜日は必ずいるんだもん!」
「ねぇ、はやくはやく!」
「分かった分かった、」
彼女はそういうと背中に背負っていた彼女の身長ほどのトランクケースから、ヴァイオリンのようなものを取り出す。
クロロは少し離れた木の幹からその様子を伺っていた。
「…(あの楽器は…確かチェロ、だったか?)」
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ぽへみあん(プロフ) - ミヤナさん» ありがとうございます!私も久石さん大好きです(≧∇≦*)更新遅くて申し訳ないのですが、これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月25日 21時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤナ(プロフ) - とっても素敵な作品ですね!私はクラシックはあまり詳しくないのですが、久石譲さんの曲は好きです!とっても素敵ですよね。応援しています! (2019年9月24日 23時) (レス) id: 7d8442c23e (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 林 香織?さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです♪。私の大好きな曲ばかりなので聞いていただけて幸いです。ぜひクラシックに興味を持っていただけたらなと笑!更新頑張って参ります…これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月17日 14時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - ぽへみあんさん» 初めまして!団長の不器用さと主ちゃんの優しさに虜になりました!出てくるURLを聴きながら小説を読みこんな曲か…と読んでおりました(笑)作者さんのペースで更新頑張ってください! (2019年9月11日 23時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 死体さん» ありがとうございます!そんなそんな…(--;) 私なんてまだまだですが、そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年8月20日 10時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽへみあん | 作成日時:2019年7月21日 0時