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Aはイズナピにあの夜のことを簡単に話した。

話し終えてイズナピが最初に問うたのは、




「なんで死のうとしたんだ?」


「…それは、」




Aはイズナピの自分を見つめる視線に、居心地の悪さを覚えた。
いくら助けて貰ったとはいえ出会ってほんの少ししか経っていない。

そんな人に、全てを話すのは気が引ける。
自分でも間違った選択だというのが分かっていたから。





「…覚えてないんです。」




Aは天井を見上げながら言った。





「そうか。」




ならいい、とイズナピはAの頭をワシャワシャと手荒に撫でた。

Aはされるがままに目を閉じる。





きっと色々見透かされた上で慰めてくれてるのかもしれないな、と思うと笑みが零れた。

良い人だ。

「ありがとうございます」とAは小さく呟いた。








「にしても、不思議な話だな。」



イズナピは腕を組んで考えこむ。




この少女が、嘘をついているわけではなさそうだ。

彼女が前暮らしていたという記憶の中の世界は、この世界ではない。
いや、もしかしたら本当にそういう島国があるのかもしれないが。
だが目が覚めたらここにいたのだから、そうだとしてもおかしいのだ。


精孔が不自然に全開になっていた理由はそこにあるのかもしれない。

考えられるのは念能力。

目覚めた時チカラが漲っていたということを考えると、その時点で精孔は開いていたのだろう。
精孔は念能力者との攻撃や接触でも開くことがある。





誰かの念能力に掛けられたのかもな。




記憶を操作された、という可能性なくはない。
しかし、それは違う気がする。
記憶を操作されるというのは、多少の違いが出るのだ。
人間の人格は記憶の蓄積。

彼女のオーラの雰囲気と、彼女の不安定に揺れる瞳は違和感がなかった。

どれもこれもイズナピの直感でしかないが。






とりあえず、どちらにしても彼女の記憶を否定するのはあまり良くないだろう。

イズナピはふむ、と頷いた。
どうこう考えても多分、オレには正解は出せない。




彼女の記憶が本物だとしたら。

あまり現実味はないが、なんだか今一番しっくりくる答えはなんだろうか。




「…前世還り、とかか?」

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設定タグ:HUNTER×HUNTER , H×H , クロロ=ルシルフル   
作品ジャンル:恋愛
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ぽへみあん(プロフ) - ミヤナさん» ありがとうございます!私も久石さん大好きです(≧∇≦*)更新遅くて申し訳ないのですが、これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月25日 21時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤナ(プロフ) - とっても素敵な作品ですね!私はクラシックはあまり詳しくないのですが、久石譲さんの曲は好きです!とっても素敵ですよね。応援しています! (2019年9月24日 23時) (レス) id: 7d8442c23e (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 林 香織?さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです♪。私の大好きな曲ばかりなので聞いていただけて幸いです。ぜひクラシックに興味を持っていただけたらなと笑!更新頑張って参ります…これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月17日 14時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - ぽへみあんさん» 初めまして!団長の不器用さと主ちゃんの優しさに虜になりました!出てくるURLを聴きながら小説を読みこんな曲か…と読んでおりました(笑)作者さんのペースで更新頑張ってください! (2019年9月11日 23時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 死体さん» ありがとうございます!そんなそんな…(--;) 私なんてまだまだですが、そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年8月20日 10時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽへみあん | 作成日時:2019年7月21日 0時

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